半坪ビオトープの日記

長野

善光寺、仁王門

6月下旬に長野の善光寺から戸隠神社、新潟の弥彦神社周辺を巡った。 善光寺の境内に入る直前右側に、善光寺名物七味唐辛子の「八幡屋磯五郎」の店がある。日本三大唐辛子の一つとして江戸時代より270年の伝統を誇る。早速、いくつか土産を買い求めた。 歴史…

乗鞍高原を越えて夕方の激しい雷雨の中を白骨温泉まで下って泊まった翌日、乗鞍高原まで戻ってバスに乗換え、ようやく乗鞍岳畳平(2702m)に着いた。バスターミナル前の駐車場は広く、乗鞍神社本宮の中之社や宿泊施設などが建っている。 前日の雨の名残かガ…

松本駅の西3kmほどの島立地区三ノ宮に、延喜式神名帳にも信濃国三ノ宮と記載されている、沙田(いさごだ)神社がある。 社殿の前には、神楽殿のような御仮殿があり、周囲には四本の御柱が立っている。沙田神社の御柱祭は、仁寿3年(853)に始まり、貞観元…

松本駅前を東に進むと松本市美術館や芸術館があるが、その手前に「深志の天神様」と親しまれる松本深志神社がある。天保12年(1841)に深志神社となる前は、宮村宮と天満宮の両宮は、「宮村両社・宮村天満宮・深志天神」などと称されていた。江戸時代の歴代…

兎川寺から500m南東、針塚古墳から500m東に、須々岐水(すすきがわ)神社がある。古来より須々岐水神と称し、薄川の神を祀ってきた。 平安初期に信濃国府が筑摩郡に移転後は山家郷開発の祖となり、延暦18年(799)山辺の高句麗系渡来人が朝廷より須々岐の姓…

兎川寺の向かいにある旧山辺学校は、明治初期の旧制の学校で、洋風八角高楼付校舎は現在、歴史民俗資料館となっている。立石清重の指揮の下で開智学校建築にも携わった経験のある、地元出身の佐々木喜十が棟梁となり、明治18年に建てられた。開智学校のギヤ…

松本市東部の里山辺に兎川寺(とせんじ)がある。真言宗智山派で、詳しくは恵日高照山兎川霊瑞寺という。 寺伝によれば今から約1300年前の飛鳥時代、聖徳太子により創建されたと伝わる。もしそれが事実とすれば、先ほどの針塚古墳などの古墳時代からの流れと…

松本の筑摩神社から南へ500mほどのところに若宮八幡神社がある。朱色の両部鳥居はあるが、近くの人が集まる集会所の一角にある感じである。 この辺りは旧町名、三才といって、その由来には、優れた三人の才能ある人物が諸災害を治めたという説、筑摩郡に国府…

筑摩神社でもこの後訪れる須々岐水神社と同じように6月にお船祭りが行われている。 かつて別当寺であった安養寺の銅鐘は、永正11年(1514)信濃の守護小笠原長棟が献納したもので、口径66cm、高さ約91cmである。松本平最古のものであり、市の重文に指定され…

8月中旬に、松本、乗鞍、高山、下呂、妻籠などに温泉を織り交ぜて旅した。 松本といえば有名な松本城や旧開智学校は、今までに何度も訪ねているから今回ははずした。 まず最初に松本市内の筑摩(つかま)神社を見た。あがたの森公園の南の薄川を渡ったとこ…

諏訪大社下社秋宮の鳥居の手前左手には千尋池があり、そこに面して下諏訪町立歴史民俗資料館の裏口がある。友が塩羊羹を買い求めている間に急いで見学した。 建物を通り抜けて表から見ると、明治初年に建てられたこの建物は、江戸時代の宿場の商家の特徴があ…

諏訪大社といえば、最大の行事として「御柱祭」が有名であるが、正式には式年造営御柱大祭といい、寅と申の年に行われる。起源は平安時代以前とされ、五穀豊穣、狩猟・風・水・農耕の神として古くから信仰されていたと考えられている。記紀神話伝説では、こ…

翌日は八ヶ岳山麓原村に住む友人の案内で、諏訪大社下社秋宮を訪れた。諏訪大社は、全国各地に一万以上あるという諏訪神社の本社であり、国内で最も古い神社の一つとされるが、その起源は定かではない。 延喜式では名神大社とされ、諏訪湖の南側に上社本宮・…

霧が晴れ上がるかと思う間もなく、またもやガスってきた。剣ヶ池の畔にはチングルマの小さな白い花が咲き、ウラジロナナカマド(Sorbus matsumurana)の白い花が少し咲いている。 落葉低木のウラジロナナカマドは、北海道と中部地方以北の高山に生え、高さは…

天気が下り坂なので、帰りは休憩なしで八丁坂を下り、千畳敷カールの遊歩道に合流し、なおも雪渓を下る。剣ヶ池が認められないほどガスってきた。 右上に目を向けると、ロープウェイの千畳敷駅から雪渓を横切ってやって来る人も多く、この遊歩道に来る人より…

中岳鞍部への巻き道はほぼ水平なので楽できると思うが、この日初めての南西斜面なので今までと違う花が見られるかもしれないという期待の方が大きい。 と思う間もなく道端に、アブラナ科ハタザオ属のミヤマハタザオ(深山旗竿、Arabis lyrata ssp.kamtschati…

頂上の西側には木曽前岳を経て上松町へと下る登山道があり、すぐ下の頂上木曽小屋から中岳鞍部への巻き道があるのでそこまで下ることにする。 頂上直下は風雪が厳しいため極端に背の低いハイマツなどの植物が地面にへばりついている。頂上木曽小屋の屋根が見…

駒ヶ岳山頂近くの左手にキク科ウスユキソウ属のヒメウスユキソウ(姫薄雪草、Leontopodium shinanense)が咲いているのを見つけた。木曽駒ヶ岳の岩礫地のみに特産する多年草で、日本のウスユキソウ属の中では最も小さく、コマウスユキソウとも呼ぶ。ウスユキ…

中岳から下り始めたところにシオガマギク属のミヤマシオガマ(Pedicularis apodochila)が咲いていた。北海道の日高山脈、中部地方以北の高山帯の草地に生える多年草で、高さは5〜20cmになる。今まで見てきたタカネシオガマに花はよく似ているが、葉の切れ…

群落をつくって咲いている白い花は、バラ科ダイコンソウ属のチングルマ(稚児車、Geum pentapetala)である。北海道、中部以北の高山帯の雪田周辺の砂礫地や草地に生える落葉小低木で、高さは10cmほどになる。葉は羽状複葉、枝は地面を這い、群落をつくる。…

中岳に登り始めると登山道の左脇にコマクサの群落があった。宝剣岳の右手に見える三ノ沢岳(2846m)も大きくその山容をあらわしてきた。 高山植物の女王と呼ばれるケシ科コマクサ属のコマクサ(Dicentra peregrina)は、北海道と中部以北の高山帯の砂礫地に…

目の前に見える宝剣岳(2931m)は、ここまで来ると近くにあって岩の上に立つ人も見える。宝剣岳の裏側には鎖場があるというので今回は行かないが、次回来る時には引き返すつもりで登ってみたいものだ。 とりあえず宝剣山荘に行き、疲れた初心者に休憩をとら…

赤、白、黄色の高山植物の咲き乱れる中を登ってきたが、ようやく乗越浄土に人影を認めることができるほど近づいてきた。 この小さな花は、ナデシコ科ハコベ属のイワツメクサ(岩爪草、Stellaria nipponica)である。本州の北アルプス、白山、八ヶ岳、中央ア…

こちらの黄色いスミレは、高山でよく見かけるキバナノコマノツメ(黄花の駒の爪、Viola biflora)である。北海道、中部以北の本州、四国、屋久島の高山帯の湿ったところに生える多年草で、高さは10cmほどになる。葉は薄くて短毛があり、光沢がない。花柄には…

登山道のまわりには白や赤や黄色の花がたくさん咲いているので、ゆっくり歩きながらどんな花か確かめていくことにする。 一番目につく白くて大きい花は、キンポウゲ科イチリンソウ属のハクサンイチゲ(白山一花、Anemone narcissiflora var. japonica)であ…

千畳敷カールを見下ろすと、白いハクサンイチゲと思われる花を中心にお花畑が広がり、締めくくりに剣ヶ池がある。登山しない観光客は雪渓を横切るものの、この辺りを一周して花を楽しむことになる。雲海の向こうには、甲斐駒ケ岳、仙丈ヶ岳、北岳が見えるが…

千畳敷駅の北から北西に向けて千畳敷カールと宝剣岳が見えるのだが、駅舎の裏手、つまり南東の谷を見ると一面に雲海が広がっている。ロープウェイの鉄塔の先に微かに富士山(3776m)が見える。赤石山脈いわゆる南アルプスのほとんどが見えるので、分かりやす…

夜中に起きると満天の星空に流れ星が一つ走った。朝5時半に宿から見ると、雲が少しかかっているが晴れそうだ。右手の中御所谷の奥に宝剣岳(2931m)が小さく確認できる。 駒ヶ岳ロープウェイは、しらび平(1661.5m)〜千畳敷(2611.5m)まで標高差950mを…

三門の先、弁天堂の向かいには細長い池と堀を渡る橋が二つ続き、その先の石段を上がると本堂がある。橋の両側は庭園風になっている。 本堂は嘉永4年(1851)に再建されたものである。本尊の不動明王および八大童子を祀る祈願霊場で、入母屋唐破風造杮葺きの…

光前寺は天台宗信濃五山(戸隠山の顕光寺・長野善光寺・更科八幡神宮寺・立科町津金寺・光前寺)の一つに数えられた。 現在の建物は十棟ほどだが、500年ほど前には本堂、三重塔、仁王門のほか護摩堂、阿弥陀堂、妙覚院、徳寿院、円乗院、中正院、顕明院など…