半坪ビオトープの日記

2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

青紫色の花穂を長くのばして咲いているこの花は、ゴマノハグサ科のウェロニカ・ロンギフォリア(Veronica longifolia) という。属名は、聖ウェロニカの名にちなむ。園芸上はベロニカと呼ぶ。 中部ヨーロッパ、北アジア原産の耐寒性の多年草で高さは60〜8…

最も丈夫なラン類として親しまれているこの花は、シラン属のシラン(紫蘭、Bletilla striata) という。本州(千葉県以西)、四国、九州、沖縄、台湾、雲南、四川にかけて分布する多年草だが、野生種は準絶滅危惧種とされる。 花期は4〜5月。赤紫色の花が基…

5月の半ばにあちこちで咲いていたのがこのジャーマン・アイリス(German irises) で、基本的な形態はドイツアヤメ(Iris germanica) に似るが、いくつもの野生種や複雑な交雑を経て改良、育成されてきた園芸品種群をさす。 ジャーマン・アイリスは約200…

青紫色の小さな花は、ゴマノハグサ科のペンステモン・アウァツス(Penstemon ovatus) という。園芸上はオバタスと呼ぶ。属名は、ギリシア語 pente(5)と stemon(雄しべ)に由来し、仮雄ずい1個が目立つので雄しべが5個あるように見えることにちなむ。 …

この多肉植物は、ベンケイソウ科のエケベリア・セクンダ(Echeveria secunda)という。メキシコ原産で、白粉を帯びた青緑色の多肉葉をロゼット状に叢生させる。 初夏に花茎を長く伸ばし、壺型の花を数個つける。花は朱桃色で先端部及び内側が黄色い。流通名は…

アグロステンマ(ムギセンノウ)

大きなナデシコのようなこの花は、アグロステンマ・ギタゴ(Agrostemma githago) という。和名は、ムギセンノウあるいはムギナデシコという。ギタゴとは、ローマ人が調味料に好んで用いたクロタネソウ属の1種の種子の外観が、本種とよく似ていることによる…

この見事な花は、キンポウゲ科のデルフィニウム(Delphinium ×hybrid) という。属名は、イルカを語源とするギリシア名 delphinion に由来し、蕾の形(上唇弁に距がある)にちなむ。 ヨーロッパ、アジア、北アメリカなどに200種ほど分布し、古くから園芸品…

乳白色の花弁の中心が暗紫赤色のこの花は、アヤメ科のイクシア・ジャイアント(Ixia 'Giant') という。属名は、ギリシア語 ixos(とりもち)に由来し、茎を切るとねばねばした粘液が出ることにちなむといわれるが、他の説もある。 南アフリカ原産の半耐寒性…

赤紫色のこの花は、カンパヌラ属のホタルブクロ(Campanula punctata) という。カンパヌラという属名は、ラテン語 campana(鐘)に由来し花の形にちなむ。プンクタタとは斑点のあるという意味で、花冠の内側に赤紫色の小さな斑点がある。 日本全国、朝鮮半島…

一般にブルーハイビスカスの名で流通しているこの花は、アオイ科のアリオギネ・ヒューゲリー(Alyogyne huegelii) という。南西オーストラリア原産の半耐寒性常緑低木で、ハイビスカス(Hibiscus) の花より一回り小さい。 英名は、ライラックハイビスカス(L…

色とりどりの小さなアヤメは、バビアナ・ストリクタ(babiana stricta) という。属名は、南アフリカで話されるアフリカーンス語 babiaan あるいは babianer(ヒヒ)に由来し、ヒヒが好んで食すことにちなむ。 南アフリカのケープ地方原産の半耐寒性の球根。…

オオデマリによく似たこの花は、テマリカンボク(手毬肝木、Viburnum opulus f. sterile) という。日本を含む東アジア原産のカンボクの変種で、枝先に球状の花序をだし、白い装飾花だけをつける。 同じガマズミ属のオオデマリの葉が卵型なのに比べ、こちらの…

この風変わりな花は、キキョウ科のフィテウマ・ショイヒツェリ(Phyteuma scheuchzeri) という。フィテウマという属名は、媚薬とされた Reseda phyteuma に対してディオスコリデスが用いた、「植物」を意味するギリシア古名に由来する。 和名はシデシャジン…

フジの花に似た美しい花序を垂れ下げているのは、キングサリ(金鎖、Laburnum anagyroides) という。ヨーロッパ中部、南部原産の高木で、円柱状の黄色い花序は20〜30cm。 ヨーロッパではよく栽培されていて、多くの園芸品種がある。別名は、キバナフジ…

アセビを一回り大きくしたようなこの花は、イワナンテン属のアメリカイワナンテン(Leucothoe walteri) という。レウコトエという属名は、ギリシア神話に登場するバビロンの王オルカモスの娘レウコトエーの名にちなむ。 この属には日本のイワナンテンのほか…

この可愛らしい黄色の花は、キジムシロ属のチシマキンバイ(千島金梅、Potentila megalantha) という。ポテンティラという属名は、ラテン語 potens(強力な)の縮小形で、ヨウシュツルキンバイの強い薬効にちなむ。 北海道、千島、サハリン、カムチャッカの…

サクラソウに似ているが、円形に近い葉と一回り大きな花弁をもつこの花は、シコクカッコソウ(Primula kisoana var. shikokiana) という。群馬県(鳴神山)だけに自生するカッコソウの変種とされ、四国の愛媛県、香川県、徳島県に分布する。 カッコソウとと…

約3万k?もある仙石の箱根湿性花園では、日本各地の湿地帯の植物200種や野草、高山植物など1100種以上の植物が鑑賞できる。スイスアルプスに咲くエーデルワイスやエンティアンなども見かけたが、ここでは日本産の花をいくつか取り上げる。 この風変…

姥子駅を数分下った林の中に「竹やぶ」という蕎麦屋がある。芸術家らしい趣向を凝らした林の中の一軒家で食す蕎麦の味は格別風流なものである。海老のかき揚げがまたおいしい。 蕎麦の量が少なく、いい値段なので誰にも勧めるというわけではないが、何かの折…

硫化水素を含む火山性ガスが今でも噴出する、大涌谷の一つ先に姥子というロープウェイの駅がある。ここには知る人ぞ知る箱根の秘湯、田山花袋も「日本温泉めぐり」で紹介している、姥子の湯「秀明館」がある。 夏目漱石の「吾輩は猫である」の最終章で、美学…

この風変わりな花は、ピンクッション(針刺し)の名で流通しているヤマモガシ科のレウコスペルムム・コルディフォリウム(Leucospermum cordifolium) という。属名は、ギリシア語 leucos(白い)と sperma(種子)に由来し、滑らかでつやのある白色の種子に…

入園して右に行くと熱帯植物館があるが、かなり古ぼけていて見るべきものは少ない。入り口近くに’熱帯の宝石’と銘打った、ノボタン科のメディニラ・マグニフィカ(Medinilla magnifica) が咲き始めていた。 フィリピン原産の常緑小低木で、高さは1.5mほ…

ゴールデンウィークには箱根に行き、初日に強羅公園を散策した。公園は大正13年に開園したフランス式整型庭園で、噴水を中心に左右対称に設計され、大小の岩石が多く配置されているので’東洋のロックガーデン’とも呼ばれてきたという。 園内に入りすぐ目に…

鮮やかな黄色のツバキは、キンカチャ(金花茶、Camellia chrysantha) という。1965年に発表された新種で、ツバキ属では黄色の花がそれまで知られていなかったので注目された。 中国の広西チワン族自治区の原産で、その後、中国では黄色のツバキが十種ほ…

ビオトープにも生えているのだが、日本全国の野山でよく見かけるチゴユリ属のホウチャクソウ(Disporum sessile) が近所の庭に咲いていた。 東アジアに広く分布する多年草。4月〜6月頃、やや開いた緑がかった白色の筒型の花被片(3枚の花弁と3枚の萼)を…

よく目立つ橙赤色のこの花は、マメ科のコリゼマ・コルダツム(Chorizema cordatum) という。属名は、ギリシア語 choros(踊り)と zema(飲み物)に由来するという。和名は、ヒイラギハギ属という。英名は、Australian flame pea という。 オーストラリア西…

園芸品種であるシオン属のコンギク(Aster ageratoides var. ovatus f. hortensis) を一回り大きくしたようなこの花は、アスター・アメルス(Aster amellus) の園芸品種である。 英名が Italian aster というアメルスは、ヨーロッパおよび西アジア原産の多年…

ノウゼンカズラを小ぶりにしたようなこの花は、テコマリア・カペンシス(Tecomaria capensis) という。属名は、近縁の属 Tecoma に由来する。 和名は、ヒメノウゼンカズラといい、ノウゼンカズラ科ではあるがノウゼンカズラ(Campsis grandiflora) とは属が…

細長い小花をたくさん咲かせているのは、トネリコ属のアオダモ(Praxinus lanuginosa) という。全国の山地に広く分布する落葉高木で、街路樹や公園木にも利用される。 花期は4〜5月。円錐花序に細く4弁に分かれた花を多数咲かせる。材質は堅くて粘りがあ…

花の形が笠をかぶった踊り子の姿を思わせるのでその名がついたこの花は、オドリコソウ属のオドリコソウ(Lamium album var. barbatum) という。 ラミウムという属名は、プリニウスによって用いられたラテン名で、ギリシア語 laimos(喉)に由来し、花筒部が…