半坪ビオトープの日記

2014-12-01から1ヶ月間の記事一覧

厳美渓から猊鼻渓

岩手県の南玄関、一関の東西には古くから親しまれている景勝地がある。東には猊鼻渓、西には厳美渓がある。厳美渓は、栗駒山を水源とする磐井川中流の渓谷で、全長2kmにわたる。厳美渓のほぼ中心に位置する天工橋から下流を眺めると、彼方には御覧坊橋と…

骨寺村荘園遺跡

達谷窟毘沙門堂から南に向かうとすぐに厳美渓があるが、その直前で10分ほど西に進むと骨寺村荘園遺跡がある。ここは栗駒山から東流する磐井川左岸に形成された段丘平野で、周囲は標高300m前後の低い山々に囲まれている。ここ一関市厳美町本寺地区は、その昔…

不動堂、西光寺金堂

達谷窟毘沙門堂の西に約10丈(約33m)にも及ぶ大岩壁に刻まれた磨崖仏は、前九年・後三年の役で亡くなった敵味方の諸霊を供養するために、陸奥守源義家が馬上より弓はずを以て彫りつけたと伝えられている。この磨崖仏は、高さ約16.5m、顔の長さ約3.6m、肩…

達谷窟毘沙門堂

山深い夏油温泉から再び平泉に戻り、西南の厳美渓に向かいながら途中の達谷窟毘沙門堂に寄る。その手前の道路の右側に大岩があった。髢石(かつらいし)という高さ3mほどの巨岩であるが、その名の由来は達谷窟毘沙門堂の姫待不動堂にある。達谷窟に塞を構…

夏油温泉

岩手県最南端に近い平泉からもう一度北上して、北上市西南部の夏油温泉に向かった。夏油温泉はその名が「げとう」という珍しい名前なので、若い頃から名前だけは知っていて一度は訪れたいと思っていたが、東北自動車道から西へ約20kmほどひたすら山道を進む…

柳之御所、高館義経堂

毛越寺から東に向かい、平泉駅を越えて北上川の手前に柳之御所遺跡がある。柳之御所は、奥州藤原氏初代清衡が江刺郡豊田館(奥州市)から磐井郡平泉に移ってきて居館を構えた所であり、3代秀衡が政庁・平泉館とするため再整備を行ったとされる。中尊寺の南…

州浜、観自在王院跡

鐘楼堂の裏から東にかけて、法華堂跡および常行堂跡がある。法華堂跡は南北約50尺、東西約50尺の方形土壇で、土壇には23個の残存礎石があり、周辺の玉石敷面より1.5尺ほど高かったとされる。 享保年間に建てられた現在残っている常行堂は、創建以来同じ位置…

遣水、常行堂

講堂跡の東側に、金堂円隆寺跡の大きな土壇がある。南大門から大泉池の上に渡された橋を見通した正面にある、毛越寺の中心部を占める堂であった。3間の内陣に四面の外陣がつき、さらに四面の裳階がつく正面7間、側面6間の大規模な建築であったことが判明…

浄土庭園、開山堂

目の前に広がる浄土庭園は、東西約180m、南北約90mの大泉が池を中心に、築山・州浜・遣水・立石などいくつもの佳景が点在する。池の中央には東西約70m、南北約30mの勾玉状の中島があり、池の周辺や中島には玉石が敷かれている。昔は南大門前から中島南ま…

毛越寺、本堂

中尊寺の南約3kmに天台宗の毛越寺がある。境内は、毛越寺境内附鎮守社跡として国の特別史跡となり、庭園は特別名勝に指定されている。入口の山門は、大正10年(1921)に伊達一関藩主田村氏居館の正門を移したものである。 山門を潜ってすぐ左側に宝物館が…

白山神社

釈迦堂の前の参道をさらに進むと、朱色がまぶしい大きな両部鳥居が立っている。ここから先は、白山神社の境内となる。 参道から左に上がる脇道は、木の根がむき出しとなって階段のようになっていた。 参道の突き当たりには、茅葺の大きな能舞台が現れる。こ…

経蔵、旧覆堂

金色堂の裏手に、経蔵が建っている。間口3間、屋根は宝形、かつては茅葺だったが昭和25年に銅板葺きに改められた。現在の平屋建ての建物は、平安時代の2階瓦葺の古材を使った鎌倉時代の再建と考えられている。ここには日本最古の棟札が伝えられ、保安3年…

中尊寺、金色堂

阿弥陀堂の向かい、参道の左側に大きな讃衡蔵が構えている。奥州藤原氏の残した文化財3000点余りを収蔵する宝物館で、平安期の諸仏、国宝中尊寺経、奥州藤原氏の遺体の副葬品などが納められている。 讃衡蔵内は撮影禁止なので、パンフの切り抜きを載せる。讃…

中尊寺、峯薬師堂

本堂の先、参道の右側に峯薬師堂が建っている。元は経塚山(金色堂)の下にあったが天正年間(1573~91)に荒廃、のち元禄2年(1689)現在地に再建された。現在のお堂は昭和57年の改築で、面積は32.5坪、桁行3間、梁間3間の瓦葺単層宝形造である。 本尊は…

中尊寺、本堂

薬師堂の隣、本堂の斜め向かいに、方3間宝形造の観音堂が建っている。 観音堂内には、観音菩薩が安置されている。観音様として一般大衆の信仰を最も集めている仏様で、衆生の苦しみや救いの声を聞きつけて馳せ参じてくれる。顕れる時多くの姿をとるといわれ…

平泉、中尊寺

平泉の中尊寺参道入口前の広場に、武蔵坊弁慶の墓と伝えられる宝塔がある。交通の激しいところで裏手から見るだけだったが、大きな墓碑の脇の松の根元に高さ58.5cmの宝塔があるという。平泉型の一石宝塔で、平安時代後期の作と推定されているが、ここに置か…

花巻温泉、賢治記念館

予定を大幅に変更して秋田駒ヶ岳に登ったため、花巻市内の観光地巡りは省略して花巻温泉に泊まった。花巻駅の北西方向の森林地帯に散在する花巻温泉郷には、台川沿いの花巻温泉や台温泉、豊沢川沿いの鉛温泉や志戸平温泉など12もの温泉が湧出している。中で…

無事下山

帰り道でもミヤマリンドウをよく見かけた。リンドウ科には世界に約70属1150種以上もあり、日本には12属38種がある。このうちリンドウ属には、比較的大型のリンドウ、エゾリンドウ、エゾオヤマリンドウや小型のミヤマリンドウ、フデリンドウ、タテヤマリンド…

下山開始

男岳の下にある五百羅漢の岩場が修験者の修行の場所で、正面の南西に伸びる長い金十郎長根が左に曲がって輪を描いて横岳まで戻って囲んだところが、駒ヶ岳の南部カルデラ外輪山である。金十郎長根の左にある黒い固まりが、女岳が昭和45 年(1970)から翌年に…

男岳山頂

女岳手前のいわゆるムーミン谷の先には、小岳(1409m)がある。一番新しい噴火口の女岳の前に、約2000年前頃に小岳が噴火活動を盛んに行っていたと考えられている。小岳の左手前にある小さな池は、駒池(1350m)という。小岳の左上の大規模な砂礫地は、大…

男岳鞍部

男岳と横岳の鞍部から右に進めば男岳に続くガレ場となる。男岳の山頂はガレ場を越えた奥にあり、ここから20分ほど登れば着くはずだ。 鞍部に向かう道の右側の草原には、ヤマハハコの群生に混じってハクサンシャジンもたくさん咲いている。ヤマハハコ(Anapha…

阿弥陀池

ところどころに可憐なミヤマリンドウ(Gentiana nipponica)が咲いている。北海道と本州中部地方以北の高山帯の湿り気のある草地に生える多年草で、高さは5~10cmになる。厚みのある葉は茎に対生し、卵状長楕円形で長さは5~10mm。花期は7〜9月。茎の上…

男岳が見える

草の間から青紫色の花を咲かせているのは、キキョウ科のハクサンシャジン(Adenophora triphylla var. hakusanensis)である。北海道と本州中部地方以北の亜高山帯〜高山帯の草地に生える多年草で、高さは20~60cmになる。葉は披針形で、3〜5枚が輪生する…