半坪ビオトープの日記

2006-01-01から1年間の記事一覧

都会で最小のビオトープがどこまでできるか試してみようとしたきっかけは、放し飼いしているヤマアカガエルの産卵だった。当初は2坪弱、拡張しても約3坪、その中にある小さな池は合わせてもせいぜい1坪しかない。日当たりが悪いので、以前から日陰向きあ…

ビオトープにはハムシやカメムシのほかにもいろいろな虫がやってきた。これはツバキの葉で休むヒメアカボシテントウ。 すでに紹介したが、アカシマサシガメ、トウキョウヒメハンミョウ、ハラビロカマキリやガガンボも飛んできたし、ミノムシは隣の庭の垣根か…

夏に房総の館山の野鳥の森近くを歩いた。ひっそりとした漁村と農村には昆虫類が多く、それらを捕食する大型クモも多数見かけた。随所でコガネグモ、ナガコガネグモ、コガタコガネグモ、ジョロウグモが網を張っていてとても圧巻だった。 9月1日から紹介して…

小さなビオトープで見かけたチョウは、ヒメジャノメ、イチモンジセセリ、ヤマトシジミやモンシロチョウと少なかったが、屋上ではこのほかツマグロヒョウモン、アゲハ、クロアゲハ、キタテハ、ヒメアカタテハ、キチョウなどを見かけた。どちらも種類が多くな…

真夏にはシオカラトンボ、夏から秋にかけてはナツアカネ、アキアカネ、ノシメトンボなどのいわゆるアカトンボが屋上によく飛んできては羽を休めていた。最も多かったのは9月のアキアカネで、毎週末に屋上で何匹も見かけた。最後に見かけたのは10月15日…

屋上に年中いるのは、イエバエやキンバエやショウジョウバエだが、このハナアブの仲間も早春から晩秋まで最もよく花に集まる昆虫だ。ハエの仲間でほとんどがハチに擬態しているため、ミツバチと思い込む人が多い。ナミハナアブやフタホシヒラタアブはミツバ…

屋上の草の間をいつも、片端から飛びながら餌を探しているのがコアシナガバチだ。チョウやガの幼虫を肉団子にして自分たちの幼虫の餌にする。だんだん大きくなっていったコアシナガバチの巣を襲ったのも、ビオトープに巣を張っていたジョロウグモを襲ったの…

このビオトープに最も頻繁に飛んできたのは、小さなハムシやカメムシの類である。夏から秋にかけてほとんど毎日見かけたのが、キベリクビボソハムシであり、食草のヤマノイモの葉によく止まっていた。柄は2種類あった。ほかにはルリマルノミハムシが来た。 …

この一年で最大の事件といえば、樹齢20年を超えるキウイの大木が、わずか4ミリほどのキウイヒメヨコバイの大発生により枯死寸前になったことだ。6月中旬に思い切って伐採したキウイの切り株を取り込み、半坪で始めたビオトープを約一坪に拡張した。 伐採…

この日記は都会の小さなビオトープの試みとして始め、ヤマアカガエルとツマグロヒョウモンの生育記録が主となったが、その他にもいろいろな記事を取り込んだ。場所としては、八海山や館山などで見かけた生き物を取り上げたり、後半では我が家の屋上も含めた…

近年よく見かけるようになったツマグロヒョウモンを、ちょっとしたきっかけから飼育することになった。 (1)7月12日にツマグロヒョウモンの産卵を見かけた。 (2)7月31日に同じ場所で幼虫が次々とアシナガバチに肉団子にされていたので、2齢から終齢(…

(8)親ガエルは「クロ」「アカ」「シロ」と名づけた3匹を識別できたが、「クロ」は6月中旬から見かけていないので、ビオトープで冬眠したのは「アカ」と「シロ」の2匹と考えられる。 (9)「クロ」はオスと推定しているが、そうだとすると来年は産卵がないか…

この日記を始めるきっかけになったのは、ヤマアカガエルの産卵である。冬眠までの経過と考察を以下にまとめておく。 (1)4月4日に約500粒のヤマアカガエルの卵塊が、二つ産みつけられた。 (2)4月12日から16日にかけて、約1000匹のオタマジャク…

玄関脇の大火鉢には、マルタニシとアメリカザリガニが住んでいる。数年前に神奈川県のとある水路でザリガニらしき幼生をたくさん見つけた。エビの仲間かニホンザリガニの子かと思い、連れ帰って育ててみたら、やはりアメリカザリガニとなった。古い火鉢に水…

大きな水槽に4匹飼っているイモリのうち、最も痩せているのがこの「シマ」だ。背中はみな同じで区別がつかないから、赤い腹の模様で名付けている。これは前足の下の胸に黒い「島」状の模様があるので「シマ」と呼んでいる。 秋になると雄には婚姻色が現れる…

近くの家の軒先にヒイラギ(柊)の花が咲き出した。ヒイラギとはひいらぐ(疼ぐ)で、痛いという意味の古語が転化したものと言われる。葉に刺があり、触ると痛い。 節分の時、ヒイラギの枝葉に焼いたイワシの頭を刺して門口に挿す風習が昔は全国にあったが、…

ヤマアカガエルを最後に見かけてから3週間も経ったので、11月上旬には冬眠したと思われる。ビオトープにはヌマエビもいるのだが目立った動きはなくなった。 屋上にはまだハナアブがやってくる。これは最も普通に見られるナミハナアブだ。春早くから秋の終…

池のそばに見慣れぬシダが瑞々しく葉を垂らしている。小さな葉の形は耳垂の部分が膨らむ程度がホソイノデにそっくりだが、ホソイノデだとすると2回羽状複葉なので分岐が1回多い。オシダ科イノデ属の仲間にはよく似たものが多く同定が大変難しい。イノデ属…

細長い葉が一枚出ている。これは実生のシュロの葉だ。今春までビオトープの上はキウイ棚になっていたので、野鳥がよく群れ遊んでいた。そのためトウネズミモチやシュロなどの実生が多くなっている。シュロは10mほどに育つ雌雄異株の常緑高木で、ワジュロ…

どこの庭でもいつの間にか大きくなってしまう、ずうずうしい木がこのトウネズミモチ(唐鼠黐)である。中国原産で公園や街路樹にも植栽される。名は果実の形がネズミの糞に似て、葉がモチノキに似ていることに由来する。日本のネズミモチに似ているが、葉を…

昨日、屋上にはもう一匹アブがいた。これもハナアブの仲間だ。花に集まり蜜や花粉を食べる。ハナアブには似たものが多く同定が難しい。腹部の黒と黄色の模様から判断して、このハナアブはフタホシヒラタアブであろう。 双翅目(ハエ目)は大きくアブ(虻)の…

屋上は小菊が少し咲いているだけでさびしくなった。それでも飛んできたのがこのオオハナアブだ。一見マルハナバチか小型のクマバチのようだが、それらハチに擬態して身を守っている。腹部の太いオレンジ色の帯が特に目立つ。日本全土を含むアジア一帯に分布…

10日ほど前に勤務先近くの道端で見かけたツマグロヒョウモンの幼虫が、今日は歩道に出てきて日向ぼっこをしていた。前は15mmの2齢だったが、今度は背にオレンジ色の筋のある20mmの3齢になっていた。スミレの株から離れて歩道に出ていると踏み潰…

クワの近くに実生のアオギリ(青桐・梧桐)が元気よく育っている。高さ15mにもなる落葉高木で、葉がキリに似て樹皮が緑色なのでこの名がある。果実の形が特徴的で、5本のさやが垂れ下がり、はじけて小さな靴べらのような舟形になり、種子が4つばらばら…

ビオトープの隅に実生(種から芽生えた苗)のアオキがひっそりと葉を広げている。今春までキウイの枝が茂っていてヒヨドリやムクドリなどの野鳥がよく寄ってきていた。その鳥の糞とともに種が蒔かれたのだろう。 学名=Aucuba japonica のとおり、日本特産で…

屋上にはヤマトシジミがまだ飛び回っている。ほかにはコアシナガバチが餌を探しているが、もう餌はほとんどないだろう。つい1週間前にはこのルリチュウレンジが飛んでいた。全身が暗い青藍色で光沢があり、翅は黒色で半透明。刺す針は持たないが、ミフシハ…

ミゾソバの葉を小さなシャクトリムシ(尺取虫)が食べている。シャクトリムシはシャクガの幼虫で、尺を取るような独特な歩き方が興味を誘う。シャクガ科は日本で約800種と種類が多く、姿形もいろいろある。蝶や蛾の幼虫は普通毛虫と呼ぶが、毛のないもの…

池の脇にジャノヒゲ(蛇の鬚)の小さな株が見つかった。別名、リュウノヒゲ(龍の鬚)は、細い葉が密生する姿に由来する。大きな株になれば夏に白色または淡紫色の小さな花が咲き、冬には鮮やかな青色の種子が熟す。庭園の樹木の下草として古くから使われて…

クワ(桑)の茎にツマグロオオヨコバイ(褄黒大横這)が下を向いている。羽の先が黒く、胸の背側に4個の黒点がある。近づくと横に這って葉や茎の裏に隠れる。本州以南に広く分布、都会でもいろいろな植物に、ごく普通に見られる。キウイにもたくさんへばり…

池の向こう側には岩の周りにイヌワラビ(犬蕨)の株がいくつかある。人家の周りにも普通に見られ、利用価値のないワラビという意味だ。イワデンダ科メシダ属。2回羽状複葉で、葉は柔らかい草質。全国に分布。どちらかというと庭に蔓延って始末に終えぬ雑草…