半坪ビオトープの日記

2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧

大蔵寺の境内には足尾社があり、大わらじが木の幹にかけられている。会津を含めこの地方には大わらじを新しく作り奉納する正月行事が残されている。これは「鬼やらい」の意味と五穀豊穣を祈願したものである。大きな足をもつ鬼よりさらに大きな足をもつもの…

福島駅の南東、阿武隈川を渡った小倉寺山の中腹に臨済宗宝城山大蔵寺がある。 小倉寺千手観音と石碑に書かれてあるように、小倉寺観音と呼ばれ、信達三十三観音第一番礼所となっている。 駐車場には「放射能の値が上がっております。ご注意ください」の古び…

10月初旬に福島に出かけた。福島駅から数km東に文知摺観音がある。文知摺とは、平安時代頃から狩衣などに使われた織物である。草木の紫や藍色で絹に、綾形石の石紋に似せた乱れ模様を付けたもので、信夫郡の文知摺絹はとりわけ有名であった。文知摺の乱…

小さな株に大きめの赤い実をたくさん下げているこの木は、ツツジ科のペルネティア・ムクロナタ(Pernettya mucronata) という。属名は、18世紀にフォークランドと南アメリカへ航海したペルネティの名にちなむ。 チリのマゼラン海峡付近の原産で、よく分枝…

カンパニュラによく似たこの花は、ツリガネニンジン属のイワシャジン(Adenophora takedae) という。岩沙参の沙参とは、このツリガネニンジン属の漢名、沙参属を指す。中部地方南部の岩石地に自生する多年草で、花期は9〜10月である。 変種のホウオウシャ…

ジャノメ姿のハルシャギク(Coreopsis tinctoria) によく似たこの花は、イトバハルシャギク(C. verticillata) の園芸品種で、サルサという。普通のハルシャギクより一回り小さい。 北アメリカ原産の多年草で、花期は5〜12月とかなり長く、園芸品種も多い…

一般にプルンバーゴといえば、青や白のルリマツリを指すが、この赤い花は、同じイソマツ科プルンバゴ属のインディカ(P. indica) という。和名は、アカマツリという。 アジア南部や東インドに分布する非耐寒性の半つる性常緑小低木で、高さは1mほどになる。…

ここで10月に見かけた花をいくつか取り上げて見よう。 モモイロハナビの名で出回っているこの花は、ヴァーノニア属のグラブラ(Vernonia glabra) という。ヴァーノニアという属名は、北アメリカで植物採集をしたイギリス人の植物学者ヴァーノンの名にちな…

庄内藩主酒井氏の居城跡が鶴岡公園となっている。鎌倉時代に武藤氏が築城し、当時は大宝寺城と称した。その後、最上氏、酒井氏と代が替わり、11代まで200余年間、酒井氏の本拠となっていた。明治維新の際官軍に抗戦したため城郭は壊され、今では堀の一…

鶴岡市街地の真中に致道博物館がある。ここは、鶴ケ岡城(現在の鶴岡公園)の三の丸にあたり、庄内藩の御用屋敷となっていた所である。 庄内藩は、徳川四天王の一人酒井忠次を祖とし、三代忠勝が元和8年(1622)信州松代から14万石で移封となってから、明…

いくつも社殿や境内社がある気比神社の境内の東のはずれに、さらに気比台の池(御池)に通じる石段の参道が見える。 参道の入口の右手前には、日本武尊を祀った境内社がある。 うっそうと樹木が茂る暗い社叢の中を進むと、左手にまたもや境内社がいくつか見…

羽越本線三瀬(さんぜ)駅の北にあり、西に日本海を望む丘陵上にある気比(きび)神社は、霊亀2年(716)に越前敦賀の気比神宮の分霊を勧進したと伝えられ、古くは気比宮と称していた。縄文時代、弥生時代の遺物が境内からも出土するなど、昔からこの辺りの…

田川八幡の1kmほど北西に水上八幡神社がある。古来から宇幣山龍頭ヶ池の畔に鎮座していた水上宮の水分(みまくり)神と、寛治年間(1087~94)に源義家が勧進した石清水八幡宮とを合祀したのが始まりと伝えられる。安貞年間(1227~29)に現在地に遷座し、乾…

湯田川温泉の西にある田川八幡神社は、古くは大山川上流に川下の地主神としてあったものを霊亀元年(715)に遷座し、さらに源義家が寛治元年(1087)に現在地に遷座したと伝えられる。 歴代の支配者に崇敬され、平安末期は田川郡を領した、田川氏の祈願所と…

現鶴岡市高坂生まれの藤沢周平は、湯田川村立湯田川中学校の教員を経て小説家になったため、湯田川温泉に縁が深い。10年ほど前には、藤沢周平原作、山田洋次監督による映画「たそがれ清兵衛」のロケが由豆佐売神社で行われ、エキストラで湯田川温泉の人た…

湯田川温泉の源泉の正面、路地の奥に由豆佐売(ゆずさめ)神社がある。 白雉元年(650)に名をあらわす古社で、延喜5年(905)の延喜式神名帳にも鳥海山、月山とともに名を連ねる式内社でもある。 三代実録(901)の仁和元年(886)の條に、飽海郡の大物忌…

鶴岡市街地に戻り、湯田川温泉に向かうとすぐに遠賀(おが)神社の鳥居に至る。創建年代は不詳だが、延喜式神名帳にみえる田川郡三社のうちの遠賀神社といわれる。 由緒によれば、天長2年(825) 別当寺として本地観音菩薩を祀る井岡寺が創建され、当社は岡…

本堂の左に位牌堂がある。位牌堂とは、三十三回忌や五十回忌を終えてお寺に納める先祖の位牌を永代に祀る持仏堂のことと思っていたが、ここでは家の仏壇とは別にお寺にも位牌を祀って、先祖の忌日毎にあるいは一斉に読経をあげてもらうようだ。ほとんど同じ…

出羽三山の麓、東北一の大鳥居の近くに、曹洞宗の国見山玉川寺(ぎょくせんじ)がある。建長3年(1251)に、大本山永平寺開祖である道元の高弟、朝鮮半島の高麗で生まれ中国の径山寺で修行した、了燃法明禅師により開山されたと伝えられている。その後、享…

出羽三山の麓にある門前町の手向(とうげ)には宿坊が建ち並ぶ。町並の左手に羽黒山正善院黄金堂がある。 創建については記録はないが、神亀5年(728)に聖武天皇が勅願所として建立したという伝承が伝わっている。 その後、建久4年(1193)源頼朝が奥州征…

弥陀ヶ原にある御田原神社は、月山中之宮とされる。御田原小屋を月山御田原参籠所として宿泊・昼食等を供しているが、ここを利用して月山神社に向かう参拝者も多いという。月山(1984m)山頂に鎮座する月山神社は延喜式の名神大社で、東北唯一の官幣大社で…

羽黒山から月山高原ラインを通り、約18km先にある月山の八合目に向かう。 月山八合目から北西方向の遥か下には鶴岡市のある庄内平野が見えるが、鳥海山は雲がかかって上が見えない。こちらの南方向の月山には雲がかかり始めていた。 ここから数分の海抜140…

通称、出羽三山神社と呼ばれる、羽黒山の中心である三神合祭殿は、祭神として、月山神社が月読命、出羽神社が伊氐波神・稲倉魂命、湯殿山神社が大己貴命・少彦名命・大山祇命を祀る。 現在の社殿は、文政元年(1818)庄内藩主酒井忠器の再建による。高さ約2…

羽黒山頂には出羽三山歴史博物館があり、修験道法具、開山の蜂子皇子尊像、鏡池出土の古鏡、芭蕉筆の天宥追悼句や多くの仏像などが展示されている。 天宥社は、羽黒山中興の祖といわれる天宥法印を祀った神社で、現在の社殿は平成4年に再建されたものである…

祓川神橋から右前方に須賀の滝が見える。橋のたもとには下居社、滝の手前の左には岩戸分神社、右には祓川神社がある。 須賀滝神社の前の参道を進むと、やがて左側の杉木立の中に爺スギが見える。爺スギは、樹齢約1000年、根回り10.5m、樹高42mで、国の天然…

湯殿山の際に触れたように、月山・羽黒山・湯殿山は出羽三山と称し、その中心をなす羽黒山(414m)に、月山神社と出羽(いでは)神社を合わせた、出羽三山神社(でわさんやまじんじゃ、三神合祭殿)が置かれている。表参道の一の鳥居の近くにある、いでは文…

明治16年、月円禅山和尚の代に、漁業関係者により発願され、明治26年に日本唯一の「魚鱗一切の供養」の五重塔が建立された。総檜造りの五重塔の高さは38.4mあり、龍神伝説を伝える彫刻が施されている。致道博物館にある擬洋風建築である旧西田川郡役所…

上ノ山、東山と並び奥州三楽郷の一つとされ、古くから栄えてきた湯野浜温泉の手前に、龍沢山善宝寺がある。 愛知県豊川の妙厳寺、小田原の最乗寺とともに曹洞宗三祈祷所の一つとして知られる。参道の右に建つのは親子地蔵尊という。 天暦9年(955)頃、今昔…