半坪ビオトープの日記


羽黒山から月山高原ラインを通り、約18km先にある月山の八合目に向かう。

月山八合目から北西方向の遥か下には鶴岡市のある庄内平野が見えるが、鳥海山は雲がかかって上が見えない。こちらの南方向の月山には雲がかかり始めていた。

ここから数分の海抜1400m付近に弥陀ヶ原(御田ヶ原)の湿原が広がる。クロユリ、ミヤマウスユキソウなどの高山植物の宝庫で、「いろは四十八沼」の池塘付近がよいとされるが、すでに秋の気配で花はかなり少なくなっていた。
レストハウスからすぐの道端で、フウロソウ属のハクサンフウロ(Geranium yesoense var. nipponicum)の大きな株を見つけた。日本の中部以北の高原の草地に自生する多年草で、花期は7〜8月である。

こちらは、ウツボグサ属のタテヤマウツボグサ(Prunella prunelliformis) である。花期は7〜8月である。

草原で唯一舞っていたベニヒカゲが近くの草陰に止まった。中部地方以北の日本および千島などに分布するベニヒカゲは、斑紋の地域変異が大きいことで知られ、亜種が多く、これは月山亜種という。

小さな池塘の脇でいくつかの花を見つけた。細かな白い花が総状花序をなしているのは、チシマゼキショウ属のイワショウブ(Tofieldia japonica)という。本州の高層湿原に自生する多年草で、花期は7〜9月。一番長い花穂のように、つぼみに淡紅色を帯びるものがある。
ウメのような白い5弁の花は、ウメバチソウ属のウメバチソウ(Parnassia palustris)という。日本中の山地の湿地に自生する多年草で、花期は8〜10月である。

池塘のなかに咲いている小さな花は、イネ科ホタルイ属のミヤマホタルイ(Scirpus hondoensis)という。本州中部以北の高層湿原に自生する多年草で、花期は7〜9月。
池塘の畦に赤く見えるのは、モウセンゴケ属のモウセンゴケ(Drosera rotundifolia)という。日本を含む北半球の高層湿原に自生する多年草で、食虫植物としてよく知られている。花期は6〜8月とされるが、小さく白い花は余り見かけない。
その上の黄色い目立たぬ花は、ユリ科キンコウカ属のキンコウカ(Narthecium asiaticum)という。近畿地方以北および北海道の山地の湿原に自生する多年草で、花期は7〜8月。金黄花あるいは金光花と書き、一つ一つはそれほど輝いてはいないが、群生することが多い。