半坪ビオトープの日記


庄内藩主酒井氏の居城跡が鶴岡公園となっている。鎌倉時代に武藤氏が築城し、当時は大宝寺城と称した。その後、最上氏、酒井氏と代が替わり、11代まで200余年間、酒井氏の本拠となっていた。明治維新の際官軍に抗戦したため城郭は壊され、今では堀の一部を残すのみとなっている。ここは二の丸西門跡である。

「日本さくら名所百選」にも選ばれる園内には、730本の桜があり、県内随一の桜の名所として、4月中旬の見頃には大勢の花見客で賑わうという。堀の中に見えるのは護国神社である。

鶴岡公園の南にある大宝館は、大正4年に建てられたオランダバロック風の窓とルネッサンス風の赤いドームをもつ擬洋風建築で、長い間市立図書館として利用されていた。昭和60年に図書館が移転した後、保存修理して、郷土ゆかりの人物紹介施設として開館した。
鶴岡出身の高山樗牛生誕の間や、横光利一藤沢周平などの文学者や、産業界あるいは政界で活躍した人々の資料も多く展示されている。

鶴岡公園の真中、鶴ヶ岡城本丸跡に、江戸時代を通じて庄内地方を統治した酒井氏を祀る荘内神社がある。明治10年に建てられ、初代藩主酒井忠次以下3代と9代忠徳が祀られている。狛犬は見当たらない。

社殿は拝殿・本殿・神庫・祭器庫などを備えている。拝殿の扁額の枠がとりわけ大きい。

荘内神社の向かいに昨年できたばかりの藤沢周平記念館がある。藤沢周平の作品世界と作家の生涯を紹介し、あわせて鶴岡・庄内の歴史や文化の資料を展示している。
これで出羽三山、鶴岡の旅は終わった。修験道の本拠地、出羽三山は今でも多くの信奉者を集めて息づいている感じを強めた。
また、鶴岡周辺には由豆佐売神社や気比神社など歴史のある神社が数多くあり、藤沢周平の作品の舞台となった場所も多くたいへん興味深かった。