半坪ビオトープの日記

ベネッセハウスミュージアム

ベネッセハウスミュージアム
直島のベネッセハウスミュージアムは、「自然・建築・アートの共生」をコンセプトに、美術館とホテルが一体となった施設として1992年に開館した。瀬戸内海を望む高台に建ち、大きな開口部から島の自然を内部へと導き入れる構造の建物は、安藤忠雄の設計による。絵画、彫刻、写真、インスタレーションなどの収蔵作品に加え、アーティストたちがその場所のために制作したサイトスペシフィック・ワークが恒久設置されている。

セザールの「モナコを讃えてMC12」
作品は展示スペースにとどまらず、館内の至る所に設置され、施設を取り巻く海岸線や林の中にも点在している。この作品は一階に展示されている、セザールの「モナコを讃えてMC12」(1994)。ポットが押しつぶされている。モナコはポットの生産で有名なことから作品のタイトルになったそうだ。

リチャード・ロング「瀬戸内海のエイヴォン川の泥の環」と「瀬戸内海の流木の円」
後ろの壁に掛かる二つの輪は、リチャード・ロング「瀬戸内海のエイヴォン川の泥の環」(1997)。ロングの故郷のイギリスの川の泥が塗ってある。手前にあるのは、リチャード・ロング「瀬戸内海の流木の円」。19975月、ロングが作品制作のために直島に数日間滞在し、集めた流木で作った作品である。

リチャード・ロング「十五夜の石の円」
窓の外のバルコニーに展示されているのも、リチャード・ロング「十五夜の石の円」。タイトルは制作した日が満月だったからだそうだ。

ジョナサン・ボロフスキーの「3人のおしゃべりする人」
こちらの作品は、ジョナサン・ボロフスキーの「3人のおしゃべりする人」(1986)。3人は常に喋り続けている。

柳幸典の「ザ・ワールド・フラッグ・アント・ファーム1990」
こちらの作品は、柳幸典の「ザ・ワールド・フラッグ・アント・ファーム1990」。たくさんの国旗が飾られているが、どれもボロボロに見える。

「ザ・ワールド・フラッグ・アント・ファーム1990」の一部
近づいて見ると、国旗が砂でできていて、その中に蟻を入れて巣を作らせているからだ。国旗同士はチューブで結ばれていて、そこを通ってアリが自由に移動できる。世界各国を回ったこの作品は、現地のアリを大量に捕まえて作品の中に入れ、他の国に移動する前に全てのアリを逃すことを繰り返したという。

ジェニファー・バートレットの「黄色と黒のボート」
こちらの作品は、ジェニファー・バートレットの「黄色と黒のボート」(1985)。大きな三連のキャンバスに、海と砂浜、打ち寄せられた黄色と黒のボートが描かれ、その2艘のボートは画面の手前にそのまま立体としても置かれている。そして同様のボートが、振り返った先の窓から見える実際の砂浜にも置かれているそうだが、そこまで気が付かなかった。

ヤニス・クネリスの「無題」
こちらの作品は、ヤニス・クネリスの「無題」(1983)。直島のために作られた初めての作品で、設置場所も選んでもらったという。クネリスが直島とその周辺で集めた木材や茶碗、布などを鉛でぐるっと巻いている。かなりの重量で当初より重さで沈んでいるという。