半坪ビオトープの日記

好古園


姫路駅で東京から新幹線で来る友人と合流し姫路城に向かい、城の左手にある好古園で昼食後、好古園を見て回る。正式名は、姫路城西御屋敷跡庭園好古園という。好古園とは、江戸時代に現在のこの庭園入口付近に存在した藩校「好古堂」に因む。

姫路城の南西に位置する好古園は、発掘調査で確認された元和4年(1618)造営の西御屋敷や武家屋敷等の遺構を活かして、市制100周年を記念して、平成4年に造営された池泉回遊式の日本庭園であり、庭園の面積は約1万坪(3.5ha)ある。九つの日本庭園で構成され、それぞれが屋敷割り遺構どおりに築地塀などで仕切られている。本園最大の「御屋敷の庭」の入口には、格式ある屋敷門が再現されている。

「御屋敷の庭」は、姫山原生林を借景とする池泉回遊式庭園で、レストラン「活水軒」では庭を眺めながら「穴子重セット」など昼食を楽しむことができる。庭園に面する潮音斎への渡り廊下からは、滝や池のある庭が垣間見える。南側の大滝は深山幽谷の流れの趣に溢れる。

潮音斎の観庭台からの雄滝と大池の眺めは壮観で、紅葉の時期には湖面に映えて幻想的となる。

御屋敷の庭の中心を占める大池は、錦鯉の群れる石橋あたりから北西にまで伸びている。

瀬戸内海をイメージしたといわれる大池の、250匹の錦鯉は色とりどりでとても賑やかである。

潮音斎は、中秋の名月を愛でるのに最良の方向に向けて建ててあるという。

御屋敷の庭の次には、江戸時代の園芸植物を育てている「苗の庭」があり、その次に「茶の庭」がある。茶の庭には茶室「双樹庵」を中心に、玄関前の庭、広間の庭、小間の庭に、飛び石、灯篭などが配置されている。

長い築地塀で仕切られた南側の庭には、「流れの平庭」「夏木の庭」「松の庭」「花の庭」などが並んで配置されている。「流れの平庭」は、水の流れがゆったりして岸辺には四阿「流翠亭」が建つ、伸びやかな庭園である。

最後にまた、築地塀を挟んで「築山池泉の庭」「竹の庭」が並ぶ。築山池泉の庭の池の北側には亀を、南側には鶴をイメージした岩島を配する。池上にせり出した茅葺四阿「臨泉亭」が風情を醸し出している。

武家屋敷の家並みを彷彿とさせる白壁や屋敷門、長屋門、九つの庭を仕切る長い築地塀など、好古園は時代劇映画やドラマのロケ地としてもよく使われているという。