半坪ビオトープの日記

立山

終点の名剣温泉

峡谷を進むと崖にはいろいろな花が咲いている。この黄色の花は、オミナエシ属のハクサンオミナエシ(Patrinia triloba)である。本州北陸地方以北の日本海側の山地帯から亜高山帯の岩場に生える多年草で、高さは20~60cmになる。葉は掌状に3〜5裂する。花冠…

名剣温泉へ

駅舎の下を上流(南)に向って進むと黒部川本流に架かる奥鐘橋を渡る。34mの高さから眺める景観は絶景なのだが、残念ながら工事中であった。向こう岸はドーム型の奥鐘山(1,543m)であり、河原から一気に600mも立ち上がる岩壁の姿は圧巻である。 右手に見え…

欅平駅へ

そろそろトロッコ電車も終点の欅平駅に近づくが、その前に右手に小屋平ダムが見える。黒部川第二発電所とともに、建築家・山口文象がデザインした施設として知られ、建築史上で重要な現役の近代土木遺産といわれる。ここで取水した水は第二発電所に送られる…

黒薙から鐘釣へ

黒部峡谷トロッコ電車も森石駅を過ぎるとだんだん谷が深くなり、カーブも多くなって深山の峡谷らしくなる。黒薙駅のすぐ先の後曳橋は、隣に見える水路橋とともに人を寄せ付けない深く険しい谷に架かり、スリリングな景観は圧巻である。宇奈月温泉の源泉であ…

黒部峡谷トロッコ電車

天気もよく気分よく黒部峡谷トロッコ電車に乗る。こちらはオープン型の普通客車である。 我々が乗ったのはこちらのリラックス客車で、車両券が別途必要となる。全列車とも定員制なので予約しておいたが、平日のためかかなり空いていた。 宇奈月温泉を出発す…

宇奈月温泉へ

富山地方鉄道立山駅を出発すると、すぐ常願寺川を渡る。すると右手の常願寺川が谷の奥から流れてくる称名川と合流する。どちらもここ数日の雨で水は濁っている。 やがて、有峰口駅の先の千垣橋梁で常願寺川をふたたび横切って、徐々に富山湾に向って北上する…

美女平へ

弥陀ヶ原(1,930m)からアルペンルートの高原バスに乗って美女平(977m)に向う。すっかり霧が晴れた窓外には、ゼンテイカの黄色い花が目立つ。 こちらのギボウシは、トウギボウシ(Hosta sieboldiana)であろう。本州日本海側の山地に生える多年草で、花茎…

弥陀ヶ原ホテルへ

白い花に中型のヒョウモンチョウが吸蜜している。白い小花は、ヤマブキショウマ(Aruncus dioicus var. kamtschaticus)である。日本各地の山地に生える多年草で、高さは30~80cmになる。葉は2回3出複葉で9枚の小葉からなる。和名は葉がヤマブキに似ること…

カルデラ展望台

ようやく立山カルデラ展望台に着いた。600m20分のところ15分で上ったが、石畳の道は思ったより急であった。室堂でもよく見かけた大きなオオハナウドが2m近くまで伸びきって咲いていたが、霧が谷から涌き上がっていて残念ながら立山カルデラは見えなかった。…

展望台への道

ゴゼンタチバナの間に咲く白い花は、ユリ科マイヅルソウ属のマイヅルソウ(Maianthemum dilatatum)である。北海道から九州の山地帯上部から高山帯の林床に生える多年草で、高さ5~25cmになる。葉は普通2個の卵心形で、小さな花が総状につく。液果は赤く熟す…

展望立山荘

ようやく遊歩道を一周する。弥陀ヶ原停留所前にはバス券売所があり、その向こうには、大きな国民宿舎展望立山荘が建っている。その左手奥に立山カルデラ展望台がある。 道端に咲いている黄色の花は、室堂でも見かけたカンチコウゾリナである。葉は倒披針形で…

遊歩道一周

林内でひときわ華やかな淡紅色の花を咲かせているのは、スイカズラ科タニウツギ属のタニウツギ(Weigela hortensis)である。北海道から本州の日本海側の山野に多く見られ、高さは2〜5mになる。田植えの時期に咲くので「田植え花」とも呼ばれ、花が美しい…

ラムサール湿地

弥陀ヶ原は、立山の麓から称名川の左岸にかけて、東西4km、南北2kmに広がる溶岩台地であり、その上に広がる雪田草原「立山弥陀ヶ原・大日平」は、標高1,040~2,120mと、国内のラムサール条約湿地では最高所に位置している。昨年(2012)ラムサール条約に登…

ガキの田

「餓鬼(ガキ)の田」とは、池塘に生えるミヤマホタルイ(Scirpus hondoensis)を稲に見立て、地獄に堕ちた餓鬼が飢えを凌ぐために田植えをした場所として命名されたといわれている。ミヤマホタルイは、本州中部地方以北(日本海側)の亜高山帯から高山帯の…

弥陀ヶ原遊歩道

室堂から弥陀ヶ原へ3時間のハイキングコースがあるのだが、途中に崩落箇所があって進入禁止ということなので諦めた。というより荷物を背負って滑りやすい木道やクサリ場は元々無理だと思われた。弥陀ヶ原でバスを途中下車して、遊歩道を散策することにした…

みくりが池温泉周辺

再びコイワカガミの群落を見かけた。高山帯によく生えるコイワカガミの仲間として、亜高山帯に生えるイワカガミや、ブナ林などに生えるオオイワカガミがあるが、葉の鋸歯の違いは見分けにくい。 葉の大きさも小さいといえば小さく見えるものだ。高山帯の立山…

室堂平周辺

こちらのアザミは、タテヤマアザミ(Cirsium babanum var. otayae)である。先ほどのダイニチアザミの変種で、北アルプス、御岳山、白山、立山など中部地方の亜高山帯〜高山帯の草地に特産する。頭花は横向きに咲き、総苞の外片は長く伸びず反り返らない。 …

ターミナル周辺

室堂ターミナルでバスの時刻などを調べた後、外を見るとまだ雨が降っていて近くの立山センターの向こうは霧と雲に覆われていた。 ターミナルの階上には雄山神社の旧社殿が置かれていて、階段の途中には「佐伯有頼」少年像がある。立山は、大宝元年(701)16…

室堂ターミナルへ

二日目は一日中雨が降り続いたので、終日宿の中でごろごろ過ごした。それでも運良く温泉だったので、朝寝・朝酒・朝湯と小原庄助を満喫してしまった。 三日目の朝もまだ雨が降ったり止んだりで、霧と雲がたれ込め視界は100mあるかないかの悪天候だった。室堂…

雷鳥沢

ミクリガ池の西側から来る道と合流して少し北に進むとエンマ台に着く。今は立ち入り禁止の地獄谷の全景を一望できる展望台で、所々から噴煙が上がっているが、有毒ガスが噴出しているという。天候がよければ東側に立山連峰も見えるはずだ。国指定天然記念物…

ミドリガ池

ミドリガ池に近づいたところで、シオガマギク属のヨツバシオガマ(Pedicularis chamissonis var. japonica)を見つけた。北海道と本州中部地方以北の亜高山帯から高山帯の草地に生える多年草で、葉は普通4個輪生するのでヨツバという。紅紫色の花は、茎頂に…

山崎カール

立山室堂から北に向い、立山室堂山荘前を通って、ミドリガ池とミクリガ池の間の遊歩道を北西に歩いていく。道端に鮮やかな朱赤色のユリが咲いていた。クルマユリ(Lilium medeoloides)である。北海道と本州中部地方以北と大台ケ原山と四国の剣山の亜高山帯…

立山室堂

広い休憩広場の先に立山室堂とその左に立山室堂山荘が建っている。古い立山室堂の手前には石仏がある。江戸時代から、立山・白山・富士山が日本三霊山と呼ばれるようになり、立山は多くの人々の篤い信仰を集めてきた山岳宗教の霊山だった。立山への登拝道に…

ミクリガ池

ようやく今回の宿泊地、ミクリガ池温泉が見えてきた。手前のミクリガ池は、標高2,405mに位置する池で、室堂駅から西北500mほどのところにあり、室堂で最大・最深の池である。面積は約3万㎡、池の深さは15m、池の周囲は631mである。立山火山の火口湖であり、…

室堂平

ようやく立山室堂バスターミナルに着いた。まだ小雨がぱらついていたので、雨支度をして外に出たらすでに雨はやんでいた。しかし、雲と霧が間近まで下りていて、立山三山はおろか途中の峠である一の越も見えなかった。 悪天候にも関わらず登山客、観光客が多…

黒部ダム

7月下旬にいつもの遊び仲間達と富山県の立山に行ったが、残念ながら天候不順で雨ばかり、立山三山に登るどころか一度も姿を見ることができなかった。 それでも初日は、黒部ダムまで時折晴れ間がのぞいた。 信濃大町からワゴンタクシーで予定より早めに扇沢…