半坪ビオトープの日記

ラムサール湿地


弥陀ヶ原は、立山の麓から称名川の左岸にかけて、東西4km、南北2kmに広がる溶岩台地であり、その上に広がる雪田草原「立山弥陀ヶ原・大日平」は、標高1,040~2,120mと、国内のラムサール条約湿地では最高所に位置している。昨年(2012)ラムサール条約に登録されたばかりで、あちこちに新しい木道が設置されている。

室堂から天狗平を経て弥陀ヶ原までのハイキングコースに突き当たると、この木道の向こう側がラムサール条約登録地であると表示がある。天狗平から合流する木道を右手に見れば、その左側が登録地である。天狗平や大日岳(2,501m)も霧に霞んで見えない。

左を見ても下から雲や霧が上がってくるのが見える。こちらは遊歩道なので、木道が新しい。

木道が終わる辺りで小川を渡り、東に向きを変えて戻り始める。すると3cmほどの小さなカエルを見つけた。背中のイボと模様を見ると、やはりこのカエルもアズマヒキガエルに違いない。今年育ったカエルであろう。

ここでもナナカマドの花を見つけた。小葉が13枚あるので、ウラジロナナカマドか最も普通種のナナカマド(Sorbus commixta)か判断が難しい。鋸歯の様子で分かるのだが見極められない。ナナカマドは、北海道〜九州の山地帯から亜高山帯の林内に生える落葉高木で、高さは7〜10mになる。立山でも標高2,000m位まで分布するという。秋の紅葉と赤い実が美しくよく知られているが、緑の中で一部紅葉しているのも風情がある。

指に止まった8mmほどの甲虫は、ハナカミキリに似ているが、ゾウムシ科のリンゴコフキゾウムシ(Phyllobius armatus)である。体表に金緑色の鱗粉が珍しく、腿節には内側に鋭い歯状突起を有する。

林内で白い花を咲かせているのは、モミジカラマツ(Trautvetteria caroliniensis var. japonica)である。北海道と本州中部地方以北の亜高山帯から高山帯の湿った草地に生える多年草で、高さは20〜50cmになる。根生葉は円形で掌状に深裂し、裂片には鋭い鋸歯がある。花は1~1.3cmだが花弁はなく、放射状の白い雄しべが目立っている。

こちらは室堂でもよく見かけたハクサンボウフウである。葉の切れ込みには変化が多いのだが、この葉もモミジのような形をしている。