半坪ビオトープの日記

名剣温泉へ


駅舎の下を上流(南)に向って進むと黒部川本流に架かる奥鐘橋を渡る。34mの高さから眺める景観は絶景なのだが、残念ながら工事中であった。向こう岸はドーム型の奥鐘山(1,543m)であり、河原から一気に600mも立ち上がる岩壁の姿は圧巻である。

右手に見える建物は、黒部川第三発電所であり、遥か遠くには新第三発電所の姿が認められる。

橋を渡って祖母谷川沿いに進む。奥鐘橋と欅平駅を振り返ると、合流点脇に河原展望台が見える。

落石が多いのだろうか、道端に用意されたヘルメットを冠って、大きくえぐられた人喰い岩という岩壁の蔭を進んでいく。

道端にイチゴの実がなっている。弥陀ヶ原で花が咲いていたミヤマニガイチゴである。真っ赤に熟れたイチゴが美味しそうに見える。

左に見える白い小花は、ユキノシタ科クサアジサイ属のクサアジサイ(Cardiandra alternifolia)である。本州の宮城県以西、四国、九州のやや湿った林内に生える多年草で、高さは20~70cmになる。葉は互生し、長楕円形または広披針形で先端は尖る。茎の先に白色または淡紅紫色の小花をたくさんつけ、花序の周りには装飾花をつける。
右上の穂状の花は、ユキノシタ科チダケサシ属のトリアシショウマ(Astilbe thunbergii var. congesta)である。北海道と本州中部地方以北の深山の林内や草原などに生える多年草で、花茎の高さは40~100cmになる。葉は3回3出複葉で、小葉は卵形または広卵形となる。

崖に生えているギボウシは、花茎が1mほどと長いので、トウギボウシではなくオオバギボウシ(Hosta montana)と思われる。

こちらの青いアジサイは、エゾアジサイHydrangea macrophylla var. megacarpa)と思われる。北海道と東北、中部地方、北陸の日本海側の山地に生え、高さは1〜1.5mになる。福島県以西の本州と四国、九州の湿った林内や沢沿いに分布するヤマアジサイと酷似するが、エゾアジサイの方が葉が10~20cmと大きく、葉の鋸歯が目立つ。

数メートルの高さの木に白い穂状の花を咲かせているのは、リョウブ属のリョウブ(Clethra barbinervis)である。北海道南部から九州までの山林に分布する落葉小高木で、高さは8~10mになる。葉は倒披針形で長さは8~13cm、先は尖り縁に鋸歯がある。枝先に総状花序を円錐状に出し多数の小花を咲かせよく目立つ。