半坪ビオトープの日記

黒岳リフト、7合目


黒岳ペアリフトに乗ると、足下にいろいろな花が咲いているのを見る。この黄色い花は、ミヤマオグルマ(Senecio kawakamii)である。北海道の中央高地周辺、利尻、知床の高山帯の草地や礫地に生える多年草で、高さは10~30cmになる。普通、茎や葉には白い毛が密生して白っぽく見えるのだが、標高が低いせいか、このようにすっきりしたものもあるようだ。

足下は見えるが、リフトの前方には霧がかかっていて、この先雨が降るのではないかと危ぶまれる。

ようやく黒岳七合目に着いた。標高1,520mあり、黒岳(1,984m)山頂まで90分ほどで登れる。

案内板手前のフキの葉蔭で、エゾシマリスが何やら忙しげにかじっていた。手前の白い花は、エゾウメバチソウであり、左の青い筒型の花は、ムラサキ科ハマベンケイソウ属のエゾルリソウ(Mertensia pterocarpa var. yezoensis)である。北海道の中央高地周辺の高山帯の岩壁や岩礫地、草地に生える多年草で、高さは15~40cmになる。花は帯紫青色で、茎の先に集散状につき、垂れ下がって咲く。花冠は筒型で中央部に浅いくびれがある。

エゾシマリス(Tamias sibiricus lineatus)は、ユーラシア大陸北部に分布するシマリスの亜種で、北海道と周辺諸島およびサハリンに分布する。海岸から高山までの森林に生息するが、開けた環境に多い。昼行性であり、樹にも上るが、主に地上で活動する。たいへん愛嬌があって、登山者にとても人気がある。

こちらの白い花は、キンポウゲ科のモミジカラマツ(Trautvetteria caroliniensis var. japonica)である。北海道と本州の中部地方以北の亜高山帯〜高山帯の湿った草地に生える多年草で、高さは20~50cmになる。根生葉は径5~30cmの円形〜半円形で掌状に中〜深裂する。花には花弁はなく、白い雄しべが目立つ。

鮮やかな紫紅色の花は、エゾツツジ(Therorhodion camtschaticum)である。北海道と東北地方の高山帯の風衝岩礫地に生える落葉低木で、高さは5~30cmになる。葉は互生し、長さ2~4cmの倒卵形で、縁に毛がある。花は枝先に2~3個つき横向きに咲く。大雪山縦走路では全体の高さが10cmほどで小さく、花が大きく見える。

カエデのような葉から穂状の花を咲かせている木は、カエデ属のオガラバナ(Acer ukurunduense)という。北海道と本州の奈良県以北の高山や深山に生える落葉小高木で、高さは3~10mになる。枝先に総状花序を直立し、黄緑色の雄花と両性花をつける。和名は樹木が麻幹(おがら)のように柔らかいことに由来する。

こちらの小さな白い花は、キイチゴ属のコガネイチゴ(Rubus pedatus)である。北海道と本州の中部地方以北の亜高山帯〜高山帯の林下や林縁に生える落葉小低木で、茎は針金状で分枝して、高さは5~15cmになる。葉は3小葉だが、側小葉が深く2裂するため5小葉のように見える。花は径1.5cmほどで、花弁は4個ないし5個だが、4個が多い。