半坪ビオトープの日記

シラネアオイ、ウラジロヨウラク


ようやくシラネアオイ(Glaucidium palmatum)の群落にたどり着いた。北海道と本州中部地方以北の山地の林内に群生する多年草で、高さ15〜30cmの花茎の先に径5〜10cmの大きな花を咲かせる。

淡紅紫色の花弁のように見えるのは萼片で、花弁はなく、雄しべは多数あり心皮は普通2個ある。

1科1属1種の日本特産種である。ただ、この群落も地元の中学生やボランティアが丹誠込めて育てたという。今では8万株にもなるそうだが、元々自生していたものを殖したものと思いたい。

開けたところからは、野反湖全体が眺められる。野反湖西岸には、高沢山(1905m)や三壁山(1974m)を廻るハイキングコースもあるので、次の機会には登ってみたい。

右手の笹薮の間に、深紅のレンゲツツジが鮮やかに咲いていた。レンゲツツジは色に変化が多いが、この花はこの日見かけたうちで最も色が濃い。

足下の小さな木にイチゴの花が咲いていた。東日本の山野に普通に生えるモミジイチゴ(Rubus palmatus var. coptophyllus)である。葉は掌状に3〜5裂し、モミジの葉に似る。

登山道脇にシラタマノキ属のイワハゼ(Gaultheria ovatifolia ssp. adenothrix)の花が咲いていた。北海道、本州、四国の山地帯〜高山帯下部の林縁に生える常緑小低木。上部の葉腋に白い花を1個ずつ咲かす。白い実をつけるシラタマノキをシロモノと呼ぶのに対し、赤い実を熟すのでアカモノという別名を持つ。

右手の笹薮の間に、今度はウラジロヨウラク(Menziesia multiflora)の花が咲いていた。北海道南部、本州中部地方以北の太平洋側の山地〜亜高山帯に生え、高さは1〜2mになる落葉低木。葉の裏面は緑白色。5〜6月、枝先に粉をふいたような紅紫色の花が5〜10個咲く。ヨウラク(瓔珞)とは、仏像が身につけている装身具で、花の様子が似るため。