半坪ビオトープの日記

乗鞍岳、畳平


乗鞍スカイラインをバスで上り詰めた乗鞍岳の畳平は、霧雨と強風の中で何も見えなかった。畳平の休憩所で1時間程様子を見ていたが、霧雨の悪天候に変化がないので、お花畑だけ見て歩こうと雨支度して出かけた。乗鞍岳の主峰・剣ケ峰山頂(3026m)には、乗鞍本宮が祀られている。ここ畳平(2702m)には、乗鞍本宮の中宮が祀られている。祭神は、五十猛大神、天照大神、大山津見大神、於加美大神の四柱で、乗鞍大神という。

畳平バスターミナルのすぐ南に東西に広がる大きなお花畑がある。コバイケイソウやオンタデの脇には、ミヤマキンポウゲミヤマキンバイの黄色い花が隙間なくたくさん咲いている。背の低い方がミヤマキンバイ(Potentilla matsumurae)である。北海道と本州中部地方以北の高山帯の草地や砂礫地に生える多年草で、高さは10~20cmになる。葉は3出複葉で、小葉には粗い鋸歯がある。花は径2cm程で、5個の花弁の先はややへこみ、付け根の部分が橙黄色となる。

イチリンソウ属のハクサンイチゲ(Anemone narcissiflora var. japonica)も大群落をつくっている。本州中部の高山帯の草地に生える多年草で、高さは20~50cmになる。葉は細かく深裂する。花には花弁がなく、白色の萼片が花弁のように見える。

ハクサンイチゲの群落にミヤマクロユリ(Fritillaria camtschatcensis ssp. alpina)が混じって咲いている。北海道、本州の月山、飯豊山地中部地方の亜高山帯〜高山帯の草地に生える多年草で、高さは10~30cmになる。花は、暗紫褐色で黄色の細かい斑点があり、茎先に1〜2個が斜め下向きにつく。

足下には、チングルマ(Sieversia pentapetela)とアオノツガザクラ(Phylloduce aleutica)が白い花を咲かせている。葉がぎざぎざの鋸歯をもつチングルマは、北海道と本州中部地方以北の高山帯の砂礫地、渓流沿いに生える落葉小低木で、高さは約10cmになる。径3cm程の白い花の花弁は5枚で、多数の黄色い雌しべと雄しべがある。アオノツガザクラは、北海道と本州中部地方以北の高山帯の草地や岩礫地に生える常緑小低木で、高さは10~30cmになる。葉は線形で密に互生し、枝先に4〜10個の花を下向きにつける。花冠は淡い黄緑色で、長さ7mmほどの壷形になり、すぼまった先端が浅く5裂する。

こちらの小さな花は、ミネズオウ(Loiseleuria procumbens)である。北海道と本州中部地方以北の高山帯の岩礫地や岩壁に生える常緑小低木で、高さは10~15cmになる。葉は対生し、革質で狭長楕円形、長さ8mm、幅3mmほどである。枝先に径5mmほどの2〜5個の花を散形状につける。花冠は白色から紅色で5裂する。

こちらの黄色い花は、ミヤマキンポウゲ(Ranunculus acris var. nipponicus)である。北海道と本州中部地方以北の亜高山帯〜高山帯の草地や岩礫地に生える多年草で、高さは10~50cmになる。葉は大きく3裂し、裂片はさらに細かく裂ける。花は径2cmほどの5弁花で、花弁は丸みを帯びてつやがある。

悪天候なのでゆっくり花に見とれる人は少なく、足早に木道を進むと15分ほどでUターン地点に至る。