半坪ビオトープの日記

ターミナル周辺


室堂ターミナルでバスの時刻などを調べた後、外を見るとまだ雨が降っていて近くの立山センターの向こうは霧と雲に覆われていた。

ターミナルの階上には雄山神社の旧社殿が置かれていて、階段の途中には「佐伯有頼」少年像がある。立山は、大宝元年(701)16歳の少年・佐伯有頼によって、熊と白鷹に導かれて開山されたと、古くから語り継がれている。越中・富山では、古来より有頼の開山伝説に因んで立山登拝を目標とし、子供達の身体を鍛える教育の一環としてきたという。

雄山神社の峰本社には、伊邪那岐尊阿弥陀如来)と天手力尊(不動明王)の二つの神が祀られている。雄山神社は三社からなり、立山町岩峅寺にある前立社壇、芦峅寺にある中宮祈願殿、雄山山頂にある峰本社の三社である。この峰本社旧社殿は、万延元年(1860)に加賀藩が造営したもので、総欅造りの総重量約7tになる建物である。平成7年に解体保存され、25年7月に復元されたばかりである。

ターミナルの目の前には立山玉殿の湧水がある。立山黒部アルペンルート立山トンネルの開通により、標高2,450mの室堂に噴出した湧水であり、水量一日2トン、水温は夏でも2〜5℃という冷たさで、登山客や観光客ののどを潤している。

ようやく雨が上がったので、今度は湧水の裏手を上がって違う道で宿に戻る。
こちらは前にも見かけたヨツバシオガマである。日本にはシオガマギク属の種類が多く、高山植物の中でもよく目立つ存在である。シオガマとは、葉までよく目立つことから、浜でよく目立つ塩釜に例えて名付けられたといわれる。切れ込みの深い葉や茎の色は普通緑色だが、このように赤紫色がかったものも美しい。

こちらの白い花は、ハクサンボウフウである。セリ科の花は、似ているものが多く、葉の形や花の咲き方で区別する。

こちらの黄色の花は、シナノキンバイである。径4cmほどの大き目の花だが、花弁に見えるのは萼片であり、花弁は線形で7mm前後、雄しべよりも短い。

ニンジンに似た細かい葉を茂らせ、目立たぬ花をたくさんつけているのは、キク科ヨモギ属のタカネヨモギ(Artemisia sinanensis)である。東北地方南部から中部地方の高山帯の草地に特産する多年草で、高さは20~60cmになる。