半坪ビオトープの日記

黒部峡谷トロッコ電車


天気もよく気分よく黒部峡谷ロッコ電車に乗る。こちらはオープン型の普通客車である。

我々が乗ったのはこちらのリラックス客車で、車両券が別途必要となる。全列車とも定員制なので予約しておいたが、平日のためかかなり空いていた。

宇奈月温泉を出発するとすぐに新山彦橋で黒部川を渡る。左手に見えるのは山彦橋である。以前トロッコ電車が走っていた山彦橋と旧軌道敷が「やまびこ遊歩道」として開放され、宇奈月ダムまで散歩することができる。

黒部川の右岸を進んだところで振り返ると、先ほど渡った真っ赤な新山彦橋が見える。

やがて右手前方に宇奈月ダムが見えてくる。黒部川水系で初めての、そして唯一の多目的ダムである。

黒部川は急流のため水力発電の開発が盛んに行われ、黒部ダムをはじめ、小屋平ダム仙人谷ダム出し平ダムが建設されている。しかし、洪水対策などの治水事業が遅れていたため、1969年に集中豪雨による過去最悪の水害を被った。そのためこの多目的ダムが1979年に着工、2001年に竣工された。

宇奈月湖にはヨーロッパの城のような新柳河原発電所があり、関西電力専用の柳橋駅もあるが一般客は利用できない。

宇奈月湖の中程、対岸に日帰り温泉施設「とちの湯」が見える。宇奈月温泉街から車で約10分。湖に面した露天風呂からトロッコ電車の姿が眺められるという。

やがて宇奈月湖が細くなり、対岸との間に小さな吊り橋が見えてくる。全国的にも珍しい猿専用の吊り橋である。ダム湖周辺の猿がえさ場を求めて行き来できるように2005年に完成した後、実際に吊り橋を渡る猿の群れの姿が確認されているそうだ。

猿専用吊り橋を過ぎると、黒部川の畔に赤い頭巾を冠った「仏石」が一瞬(右手前に)認められる。天然の岩だが、昔、黒薙温泉への湯治客が道中の安全を祈願したとの言い伝えがあるという。