半坪ビオトープの日記

欅平

f:id:hantubojinusi:20201019085055j:plain

出し平ダム

黒薙駅を出発してまもなく、右手に出し平ダムが見えてくる。暴れ川とも呼ばれる黒部川では、大量の土砂が流出する。そのため出し平ダムでは排砂ゲートを2ヶ所所有し、堆積した土砂を流下させることができる構造にしている。

f:id:hantubojinusi:20201019085241j:plain

冬季歩道

出平駅周辺の線路脇にこじんまりしたトンネルが続き、時折空気穴が空いている。人一人がやっと通れる冬季歩道というトンネルで、宇奈月駅から終点の欅平駅まで、雪深い冬季休業中に、黒部峡谷のダムで働く勤務員たちに荷物を届けるために「逓送さん」が歩くトンネルである。

f:id:hantubojinusi:20201019085733j:plain

出し六峰

出平駅の右手には出し平ダム湖があり、そのさきに険しい山並みが見える。6つの峰がそそり立ち、出し六峰と呼ばれる。

f:id:hantubojinusi:20201019091515j:plain

釣鐘駅

峡谷トロッコからは猫又駅近くで鼠返しの岸壁をやり過ごし、釣鐘駅に着く。駅のすぐ先、左手から細い沢が流れ落ちたところが、夏でも万年雪が見える場所だが、10月半ばでは残っていない。

f:id:hantubojinusi:20201019094618j:plain

欅平、奥鐘橋

ようやく黒部峡谷鉄道の終点である欅平駅に着くと、早速、散策する。上流に向かうとすぐ高さ34mの奥鐘橋がある。右手が黒部ダムから流れ下ってきた黒部川の上流で、橋の先には人喰岩があり、その左手下には祖母谷川が流れている。

f:id:hantubojinusi:20201019094756j:plain

黒部川

奥鐘橋の上から右手を眺めると黒部川の上流に新黒部川第三発電所が見える。左手に聳える断崖が、黒部三大岸壁の奥鐘山西壁がある奥鐘山の麓であり、上流の奥には黒部ダムがあって上級者でも歩くと2日ほどかかる。

f:id:hantubojinusi:20201019094908j:plain

リンドウ

橋を渡ったところにリンドウの花が咲いていた。姿がよく似ているリンドウ、エゾリンドウ、オヤマリンドウの3種は日本特産種で、それぞれ関東以西、近畿以北、中部地方以北が自生地なのだが、欅平は標高約600mなので、この花は低山にも咲くリンドウ(Gentiana scabra var. buergeri)と思われる。

f:id:hantubojinusi:20201019094958j:plain

人喰岩

巨大な岸壁をくりぬいてできたオーバーハングの道は人喰岩と呼ばれる。人喰岩の先へ20分ほど歩くと、岩の露天風呂がある名剣温泉に着く。さらに40分ほど進むと白馬岳・唐松岳の登山口でもある祖母谷温泉(山小屋)に至る。

f:id:hantubojinusi:20201019095454j:plain

人喰岩から奥鐘橋

人喰岩から奥鐘橋と欅平駅を振り返る。オーバーハングの天井岩に生えた草木を下から眺めるのは不思議な体験だ。一般旅客営業は欅平駅が終点だが、「関西電力黒部専用鉄道」として軌道は先へ続いている。トンネルを500mほど進んでスイッチバックしたところにこの駅の構内扱いの通称欅平下部駅がある。そこから高低差約200mの竪坑エレベーターにより上部軌道の欅平上部駅とを結び、「上部軌道」の小型トロッコを介して黒部川第四発電所に至る。そこからインクラインと黒部トンネル専用バスを利用して黒部ダムに至る「黒部ルート見学会」が公募されている。

f:id:hantubojinusi:20201019095229j:plain

河原展望台と欅平温泉

人喰岩から下流を眺めると、右下の祖母谷川に左から黒部川が合流するところに河原展望台と奥に欅平温泉(猿飛山荘)が見える。展望台へは欅平駅からジグザグの階段を7分ほど下る。展望台には足湯もある。

f:id:hantubojinusi:20201019104718j:plain

欅平温泉(猿飛山荘)

昼食は欅平駅のすぐ下の欅平温泉(猿飛山荘)で、渓流を眺めながら露天風呂を日帰りで満喫した後、山菜とおでんとビールで軽く済ませた。

f:id:hantubojinusi:20201019105252j:plain

点検用トンネル

駅に戻る途中、暗いトンネルを見つけた。入口横にある入所者一覧表の札を返して、軽トラックが入って行った。何らかの点検用トンネルと思われる。