いくつも社殿や境内社がある気比神社の境内の東のはずれに、さらに気比台の池(御池)に通じる石段の参道が見える。
参道の入口の右手前には、日本武尊を祀った境内社がある。
うっそうと樹木が茂る暗い社叢の中を進むと、左手にまたもや境内社がいくつか見える。一番右に祀られているのは、降矢大神だが聞いたことのない神で、残念ながら素性はわからない。
なおもくらい参道を進むと、粗末な木の鳥居があり、くぐり抜けると左手に、天照皇大神が祀られている。
正面の石の小さな鳥居と保食大神と書かれた石柱の後ろに、御池拝所と書かれた社殿がある。
羽黒山にも祀られていたが、保食神(うけもちのかみ)とは、日本書紀の一書に登場し、古事記のオオゲツヒメと同一視される穀物や食物の神(食物起源神)である。
裏手にある気比台の池は、御池ともいう小沼であるが、その年の豊凶によって水色を変ずるといわれ、古くから霊地としてあがめられている。
また、深山にしか住まないといわれるクロサンショウウオが産卵し、白い眉型なので、養蚕の神としても信仰を集める。