半坪ビオトープの日記


姥子駅を数分下った林の中に「竹やぶ」という蕎麦屋がある。芸術家らしい趣向を凝らした林の中の一軒家で食す蕎麦の味は格別風流なものである。海老のかき揚げがまたおいしい。
蕎麦の量が少なく、いい値段なので誰にも勧めるというわけではないが、何かの折に立ち寄って見るのもよいと思う。

その庭先でオオバナノエンレイソウ(Trillium kamtschaticum) を見かけた。トリリウムという属名は、ギリシア語 trilix(3数の)あるいはラテン語 tres(3)に由来し、葉や萼、花弁などが3数性であることにちなむ。
カムチャッカ、北海道、東北北部、朝鮮半島中国東北部などに分布する多年草で、花期は5月頃、エンレイソウ属の中で最も大きな美しい花を咲かせる。

林の中で見かけたこの花は、ミヤマシキミ属のミヤマシキミ(深山樒、Skimmia japonica) という。スキンミアという属名は、日本語の植物名ミヤマシキミからとられた。関東以西の本州、九州、沖縄、台湾、サハリンに分布する常緑低木で、高さは50cmほどになる。
4〜5月頃、長さ6〜10cmの円錐花序に花弁4個の小さな花をたくさんつける。ミカン科であり葉には香りがあるが、鑑賞に値する赤い実は有毒なので注意を要する。同じ有毒植物のシキミ科のシキミ(Illicium anisatum) とは全く別の植物である。