半坪ビオトープの日記


約3万k?もある仙石の箱根湿性花園では、日本各地の湿地帯の植物200種や野草、高山植物など1100種以上の植物が鑑賞できる。スイスアルプスに咲くエーデルワイスやエンティアンなども見かけたが、ここでは日本産の花をいくつか取り上げる。
この風変わりな花は、ラン科アツモリソウ属のクマガイソウ(Cypripedium japonicum) という。本州、四国、九州、中国、台湾に分布する地生ランで、山林、竹林に生える。
和名の熊谷草とは、花の唇弁を、平敦盛を討った熊谷直実が背負っていた、矢を防ぐ膨らんだ袋状の母衣(ほろ)に見立てたといわれる。ハサミで切ったような葉は径10〜20cmの扇円形で、2枚が対生する。

こちらの可憐な花は、シラネアオイシラネアオイ属のシラネアオイ(Glaucidium palmatum) である。1属1種の日本特産種で、本州中部地方以北、北海道の山地に自生する多年草。和名は、日光の白根山に多く、タチアオイに似ていることに由来する。
淡紅紫色の花径は約7cmだが、花弁に見えるのは萼片で、花弁はない。花期は5〜7月で、残雪のあったくぼ地などによく生え、登山者に愛される。

小さな白い花は、イカリソウ属のバイカイカリソウ(梅花碇草、Epimedium diphyllum) という。本州の中国地方、四国、九州に分布する半常緑の多年草で、山地に生え高さ20〜30cmになる。
花期は4〜5月。イカリソウ類の特徴である突き出た距がなく、花も一回り小さい。イカリソウと同じく、茎葉の生薬は強精薬として利用される。