半坪ビオトープの日記


三門の先、弁天堂の向かいには細長い池と堀を渡る橋が二つ続き、その先の石段を上がると本堂がある。橋の両側は庭園風になっている。

本堂は嘉永4年(1851)に再建されたものである。本尊の不動明王および八大童子を祀る祈願霊場で、入母屋唐破風造杮葺きの建築様式となっている。

本尊の不動明王秘仏とされ、7年に一度の開帳は、2010年の春秋に開創1150年祭を兼ねて行われたばかりで当分はない。

本堂入口の軒下、虹梁部分には左右に大きな龍の彫刻がある。龍の頭は外に出ているが、内側では鬼(力士)が龍の胴体を担いでいる興味深い構図である。

入口右側には「霊犬早太郎」の木像、賓頭盧(びんずる)尊者、大黒天が安置されている。本堂脇には裏山の清水が引かれ、延命水と呼ばれる。

三重塔は、南信濃唯一の三重塔で、塔内に五智如来を安置している。文化5年(1808)の再建で、立川和四郎の手による美しい彫刻が随所に施されている。
立川和四郎富棟は、信州を代表する宮大工の立川流の初代で、諏訪大社秋宮幣拝殿(重文)を手がけている。三重塔の手前には早太郎の像が立っている。

初層尾垂木の竜首や中備えの説話風の彫刻も興味深い。三重塔の高さは約17mあり、非常によく均整がとれており、長野県の文化財(県宝)に指定されている。

本殿手前左側には、およそ700年前この地で飼われていた早太郎という犬が、遠州見附(磐田市)の見付天神社で怪物を退治したという「霊犬早太郎」の墓石がある。

墓は三重塔の裏側にあたり、こちらから三重塔を見るとモミジと思われる木の葉に見え隠れするので、紅葉の頃にも来てみたい気がする。