半坪ビオトープの日記


筑摩神社でもこの後訪れる須々岐水神社と同じように6月にお船祭りが行われている。

かつて別当寺であった安養寺の銅鐘は、永正11年(1514)信濃の守護小笠原長棟が献納したもので、口径66cm、高さ約91cmである。松本平最古のものであり、市の重文に指定されている。

絵馬殿には絵馬が飾られているほか、祭礼に使う様々な道具類も納められているようだ。
土蔵は宝蔵と思われる。明治の神仏分離のあと廃絶した安養寺の銅鐘がこの宝蔵に保存されていた。

こちらは額殿と思われるが、残念ながら詳細は分からない。筑摩神社には鎌倉時代作といわれる伎楽面が二つ保存されている。陵王面と納曽利面であり、社伝によると雨乞いの行事に使われたとされているが、もとは雅楽舞曲の陵王の舞と納曽利の舞に舞楽面として使われたものだろうと考えられている。伎楽面が収納されているのが絵馬殿か宝蔵かはわからないが、一度は実物を見てみたいと思う。

帰り際に朱色の両部鳥居の参道の近くで、オオムラサキ(Sasakia charonda)の雌を見つけた。昭和32年に国蝶に指定されているが、主に日本に産するとはいえ、中国や台湾、朝鮮半島ベトナム北部にも分布する。また、国蝶といっても法律や条例で規定されたわけではなく、日本昆虫学会が選んだに過ぎない。

オオムラサキは、属するタテハチョウ科の中では最大級の種である。広げた羽の幅は、この褐色の雌では10cmにもなるが、紫色の鮮やかな雄ではおおよそ8cmの大きさになる。
食草はエノキで、人家の近くの雑木林に多く生息し、クヌギの樹液をよく吸うので、カブトムシやクワガタを探す時によく出会う蝶だが、都市近郊ではあまり見かけなくなった。