2013-01-01から1年間の記事一覧
第一花畑は、チングルマを中心に延々と広がっているが、同じような雪田融雪地が続くので、意外と花の種類は少ない。その中でもまとまって咲くエゾコザクラは、ひと際目立つ華やかさがある。 エゾコザクラは、日本では北海道にのみ見られるが、国外では千島、…
展望が開けたので黒っぽいえぼし岩を見ると、その左奥に忠別岳(1,962m)が認められるようになった。すぐ右の平ヶ岳とその右手の高根ヶ原も前より分かりやすくなった。 足下には、エゾウサギギク(Arnica unaraschcensis)がぽつんと咲いていた。主に北海道…
遊歩道を左に分けて、ようやく緑岳への登山が始まる。林の中に入ると、足下にゴゼンタチバナ(Chamaepericlymenum canadense)が群生していた。北海道と本州中部地方以北、四国の亜高山帯〜高山帯の林下や林縁に生える多年草で、高さは5~15cmになる。4~6個の…
翌朝は早くから晴れ渡って、絶好の登山日和である。ヒグマ情報センターの後ろに見える山々は、大雪山南北縦走路の尾根であるが、尖って見えるのは縦走路手前のえぼし岩という岩峰であり、そのすぐ左の平たい山が忠別岳(1,962m)と思われる。緑岳は、センタ…
大雪山第三の高峰、白雲岳(2,230m)を眺める緑岳(2,019m)に登るため、その日のうちに層雲峡を発って、大雪高山温泉に向う途中、大雪ダムに立ち寄った。日本第三の大河である石狩川本流に、昭和50年(1975)に建設された、全国屈指の多目的ダムで、形式は…
最後にもう一度、チシマノキンバイソウを見ておきたい。丈は20~80cm、花径は4~5cmほどで、大雪山の黄色い花の中では、丈も花も最も大きく最も目立つ。 ようやく、黒岳リフトが見下ろせるところまで下りてきた。急坂なので雨に降られたら難儀しそうな道も、あ…
黒岳下山開始とともにエゾウサギギクを見つけた。左後ろの白い花は、ハクサンボウフウである。 チシマノキンバイソウもまとまって咲いていて色鮮やかである。 午後には雷雨があるというので早めに下山を始めたが、またもや日が射してきたり天候不順である。…
行きがけにも見かけたコマクサ(Dicentra peregrina)を帰りはゆっくりと眺めることができた。北海道と本州中部地方以北の高山帯の砂礫地に生える多年草で、高さは5~15cmと小さい。葉は全て根生し、3出状に細かく裂け、粉白を帯びる。花茎の先に淡紅色の花…
霧がかかって見晴らせないが、開けているはずの山頂から、大雪山では数少ない避難小屋である黒岳石室に向って歩き始める。ゴツゴツした頂稜部の溶岩台地では、黒岳山頂までの急な登山道で見かけた花とすっかり違った植物分布が見られる。足下の小さな花は、…
そろそろ山頂間近と思う頃、足下にイワギキョウ(Campanula lasiocarpa)が咲いていた。北海道と本州中部地方以北の高山帯の砂礫地や岩壁に生える多年草で、高さは5~15cmになる。青紫色の花は、斜め上向きに咲く。花冠は2~2.5cmで無毛である。 この辺りはお…
こちらのフウロソウは、トカチフウロ(Geranium erianthum f. palescens)である。北海道中央高地の亜高山帯〜高山帯の広葉草原に生える多年草で、高さは30~50cmになる。母種のチシマフウロの1品種で、チシマフウロの淡紅紫色に対して、白に近い淡青紫色で…
葉陰に隠れて目立たないこの花は、アブラナ科のハクセンナズナ(Macropodium pterospermum)という。北海道と本州の中部地方以北の高山帯のやや湿った草地に生える多年草で、茎は枝分かれせず、高さは30~100cmになる。花は径6mmほどで総状に多数つき、下の…
霧が少し晴れて木漏れ日があたるようになった。その足下に背の低いエゾウサギギク(Arnica unalaschcensis)が咲いていた。主に北海道の高山帯の草地に生える多年草で、高さは10~30cmになる。主に本州中部地方の高山帯に分布するウサギギクの母種である。 先…
黒岳ペアリフトに乗ると、足下にいろいろな花が咲いているのを見る。この黄色い花は、ミヤマオグルマ(Senecio kawakamii)である。北海道の中央高地周辺、利尻、知床の高山帯の草地や礫地に生える多年草で、高さは10~30cmになる。普通、茎や葉には白い毛が…
翌日はどんよりと曇っていて、時折、晴れ間が見えてもすぐに消えてしまう。山の上は霧か雨か分からないが、ともかく行けるだけ行ってみることにする。黒岳ロープウェイの向いの山は、朝陽山(1,370m)という。 標高670mのロープウェイ山麓駅から、標高1,300m…
こちらの黄色の華やかな花は、キク科キオン属のハンゴンソウ(Senecio cannabifolius)である。北海道と本州の中部地方以北の山地に生える多年草で、高さは1〜2mになる。花はキオンに似ているが、葉が羽状に3〜7深裂しているのですぐ区別できる。 こちら…
旭川から層雲峡までは1時間半もかからない。温泉街のどん詰まりに黒岳ロープウェイがあるが、残念ながらどんより曇っていて黒岳など高い山は見えない。 黒岳ロープウェイは、標高1300mの黒岳五合目まで約7分で上り、その先のペアリフトを使うと標高1520mの…
ふたたび旭川で昼食となったが、今度はラーメン村を訪ねてみた。正面の壁画は、旭山動物園の動物達が川に見立てたラーメンを美味しそうに食べている情景である。 旭川ラーメンのルーツは昭和初期にまで遡るといわれる。8軒の地元のラーメン店と土産物店など…
勇駒別湿原も自然探勝路も満足に散策できなかったので、早めに層雲峡に移動するため旭川へ向った。 旭川の北海道教育大学の隣に、川村カ子トアイヌ記念館がある。アイヌ文化の資料館としては日本最古で、大正5年(1916)に川村カ子トの父、川村イタキシロマ…
翌朝も晴れていたので、朝のうちに勇駒別湿原などを散策することにした。旭岳ロープウェイの山麓駅左側と公共無料駐車場の間に木道が整備されている。標高1,100mの湿原でエゾノリュウキンカやミズバショウが見られると説明されている。 早速、湿原に入ってみ…
旭岳温泉に昼前に戻ったので、一山南の天人峡に行って羽衣の滝を見ることにした。 大雪山旭岳の南西麓にある渓谷で、石狩川支流の忠別川上流部にあり、延長約8kmある。 明治33年開湯の天人閣をはじめ3軒の天人峡温泉があり、大雪山縦走路の中心部、化雲岳…
チングルマのお花畑の間で、ピンク色に咲き乱れているのはエゾコザクラ(Primula cuneifolia)である。北海道の高山帯の雪田の融雪地や湿った草地に生える多年草で、高さは10~15cmになる。 こちらではチングルマがすでに羽毛状になっている。白い花がたくさ…
夫婦池分岐近くまで戻ると、手前の鏡池脇の湿地帯にはエゾワタスゲのほかにもいくつかの花が咲いていた。 こちらの穂状花序に淡緑色の花をたくさん咲かせているのは、ラン科ツレサギソウ属のホソバノキソチドリ(Platanthera tipuloides)である。北海道、本…
右手の草原にまたいろいろと花が現れてきた。左下にチングルマが咲いていて、コエゾツガザクラやエゾノツガザクラの群落があり、右に見える白い花はハクサンボウフウであろうか。 笹原の蔭で、ハクサンボウフウ(Peucedanum multivittatum)が咲いているのを…
旭岳の尾根の一つみたいなこの溶岩帯がどうして露出しているのかは分からない。よほど勢いよく噴出して盛り上がっているのだろう。黒々とした溶岩と今でも噴出している噴煙を見ると、旭岳がいつまた爆発してもおかしくない活火山であることを強く認識させら…
夫婦池の間を突っ切るとT字路にぶつかる。左に行けば散策路で、第三展望台から姿見駅に戻る。右に行くと「裾合平への道は登山道だから気をつけて」という注意書きがある。姿見散策コースだけでは物足りないので、裾合平まで往復3時間半のトレッキングを楽…
第三展望台に向って行くと、やがて大きな池が散策路の左右に二つ並んでいるのが目に入る。この辺りはシマリスがよく現れて観光客や登山者を楽しませるというが、今日は出ていないようだ。 左の池はその形から擂鉢池と呼ばれる。急な斜面にはまだたくさん雪が…
今でも激しく噴煙を吹き上げている旭岳は、当然活火山であるが、北海道最高峰(2,291m)で初冠雪も早い。今年は富士山(3,776m)の方が初冠雪が早かったというが、平年値は旭岳の方が9月25日と富士山より5日も早いそうだ。 地獄谷から第四展望台に向けて散…
旭岳は標高2,291mで北海道の最高峰だが、一般に北海道の2,000m級の山は本州の3,000m級の山に匹敵するといわれる。8月上旬でもこれだけの残雪があったのだから、9月19日の初冠雪の時にも残っていただろうと思われる。まさに万年雪である。10月も半ばになる…
第五展望台から北を望むと姿見の池や石室の位置関係がよくわかる。 旭岳の斜面の向こうに見える、当麻岳から右手の安足間岳までもよく見える。一番高く見える安足間岳(2,194m)の右に小さく見えるのが比布岳(2,197m)で、左の肩の先にわずかに平らな頭を見…