半坪ビオトープの日記

大雪高原温泉


大雪山第三の高峰、白雲岳(2,230m)を眺める緑岳(2,019m)に登るため、その日のうちに層雲峡を発って、大雪高山温泉に向う途中、大雪ダムに立ち寄った。日本第三の大河である石狩川本流に、昭和50年(1975)に建設された、全国屈指の多目的ダムで、形式はロックフィルダムという。ダムによりできた人造湖は大雪湖と呼ばれ、大雪山国立公園内に位置している。

石狩川に沿って層雲峡より約25km南下し、支流のヤンベタップ川に沿うダート(砂利道)の林道を約10km西に進むと、大雪山の大縦走路にある高根ヶ原の麓に大雪高原温泉がある。標高1,260mに位置し、冬期は雪に閉ざされるため、山荘の営業期間は年にわずか123日間である。

たった1軒の温泉宿の周辺には、大小100以上の沼(高原沼)が点在しており、約3時間で一周する遊歩道が整備されていて、日本一の紅葉が見られるシーズンには大雪湖岸で車両規制が行われるほど混雑する。ただし、大雪山の奥深い懐にあるため、ヒグマの棲息地帯であり、ヒグマの出没が多いため遊歩道が閉鎖されることも多い。

そのため沼巡りコースの起点となるこの「ヒグマ情報センター」に、入山届け提出が必要となっている。入山時間も制限されている。

センターの中には、この地域のヒグマの情報やヒグマの生態などの注意事項、高山植物の写真なども展示されている。緑岳登山道の情報を聞くと、「ヒグマはそれほど多くないが、ハイマツ帯に移行する辺りで登山道を横断することもあるので、音を出して登山した方がよい」とのことだった。

山荘内にもヒグマの剥製が置かれていて、山深いところに来た実感が湧き、あらためて笛を確認した。

温泉は北海道では比較的珍しい酸性硫化水素泉で、源泉は70℃、150ℓ/分、乳白色の源泉掛け流しである。内湯では木彫りの熊の口から湯が流れ出る。

露天風呂は塀が低く、大雪山縦走路東側の景色も眺められて最高の気分に浸れる。内湯も露天も男女入れ替え制だが、左右対称なのでほとんど変化はない。