半坪ビオトープの日記

第一花畑


展望が開けたので黒っぽいえぼし岩を見ると、その左奥に忠別岳(1,962m)が認められるようになった。すぐ右の平ヶ岳とその右手の高根ヶ原も前より分かりやすくなった。

足下には、エゾウサギギク(Arnica unaraschcensis)がぽつんと咲いていた。主に北海道の鉱山のやや湿った草地に生える多年草で、高さは10~30cmになる。群生することが多いのだが、ここではたった一つだけだった。道端に「ヒグマ出没注意」の立て札を見て、忘れていた笛をふたたび吹き始めた。

小さな青紫色のリンドウは、ミヤマリンドウ(Gentiana nipponica)である。北海道と本州中部地方以北の高山帯の草地に生える多年草で、高さは5~10cmになる。花冠の裂片と副片は平開する。

こちらの花も山でよく見かけるヨツバシオガマ(Pedicularis chamissonis var. japonica)である。北海道と本州中部地方以北の亜高山帯〜高山帯の草地に生える多年草で、高さは20~50cmになる。ふつう茎も葉も緑だが、このように赤味がかったものも見かける。

ようやく第一花畑に着いた。標高1,510mである。ここにもヒグマ出没注意とある。

辺り一面、チングルマ(Sieversia pentapetala)が満開のお花畑である。チングルマは、北海道と本州中部地方以北の高山帯の雪田周辺の砂礫地、砂礫の多い草地に生える落葉小低木で、高さは10cmほどになる。

ほとんどが白いチングルマだが、よく見ると中に紅紫色のエゾコザクラ(Prinula cuneifolia)も咲いている。北海道の利尻山知床半島、中央高地、日高山脈などの高山帯の雪田の融雪地や湿った草地に生える多年草で、高さは10~15cmになる。

チングルマは、旭岳の姿見平では、ほとんど花が終わって、羽毛がなびいていたが、ここではまだ雪田がいくつか残っていて、遅くまで残雪があったことを物語っている。

第一花畑の先には、これから登る予定の緑岳(2,019m)が悠然と構えている。その右にわずかに見えるのは小泉岳(2,158m)だろうか。雲がかなり出ているのが気にかかる。