半坪ビオトープの日記

裾合平手前


右手の草原にまたいろいろと花が現れてきた。左下にチングルマが咲いていて、コエゾツガザクラやエゾノツガザクラの群落があり、右に見える白い花はハクサンボウフウであろうか。

笹原の蔭で、ハクサンボウフウ(Peucedanum multivittatum)が咲いているのを真近に見つけた。北海道と本州中部地方以北の亜高山帯〜高山帯の草地に生える多年草で、高さは30~90cmになる。根はヒグマの好物なので、大雪山では掘り返した跡がよく見られるという。

ここにもいろいろな花が咲いている。右上の方に咲いている白くて小さい花は、アオノツガザクラだろう。

こちらで大きな花序に緑白色の花を咲かせているのは、ミヤマバイケイソウである。

溶岩地帯を過ぎるとまた単調な道が続いたが、今度は細長くて大きな雪渓に出会った。裾合平方面の山も、一番高く見える安足間岳(2,194m)とその右の比布岳のさらに右手に、ギザギザの鋸岳(2,142m)と北海道第二の高峰、北鎮岳(2,244m)が頭を見せてきた。

旭岳の左の裾にも熊ヶ岳(2,108m)の頭が見えている。

雪渓脇の斜面では、イワブクロがまとまって咲いていた。

こちらの日陰では、ゴゼンタチバナ(Chamaeperyclymenum canadense)が咲いていた。北海道、本州中部地方以北、四国の亜高山帯〜高山帯の林下や林縁に生える多年草で、高さは5~15cmになる。草原に生えるのは珍しい。
溶岩地帯辺りからアブがまとわりついて煩わしい。タオルで払いのけてもついてくる。そのうち何度か噛みつかれてしまった。裾合平にはチングルマの大きなお花畑があるというが、ほとんど平坦で単調な道に飽きてしまったので、ここらで引き返すことにした。

帰り道で、淡いピンク色のコエゾツガザクラの群落を見つけた。左下で棒の先が丸く上に突き出しているのは、ツガザクラの朔果である。