半坪ビオトープの日記

第一展望台


チングルマのお花畑の間で、ピンク色に咲き乱れているのはエゾコザクラ(Primula cuneifolia)である。北海道の高山帯の雪田の融雪地や湿った草地に生える多年草で、高さは10~15cmになる。

こちらではチングルマがすでに羽毛状になっている。白い花がたくさん咲いているが、これはハクサンボウフウである。

ようやく第一展望台に着いた。次回、旭岳に来た時にこれだけ晴れるとは限らないので、ここで姿見平と旭岳を見納めする。姿見散策コースは、お花畑もきれいな池も多く面白かった。裾合平方面への往復は楽だったが、残念ながら変化に乏しかった。

南東方向を眺めると、旭平の向こうには化雲岳を中心とした大雪連峰が見えるが、遠くの十勝連峰の辺りは雲がかなり湧いてきた。

第一展望台からはロープウェイの姿見駅もすぐそこに見え、あとわずかで散策コースが終わる。

道端のミヤマリンドウに蝶がとまり、吸蜜していた。モンシロチョウと同じシロチョウ属の、スジグロシロチョウ(Pieris melete)の夏型の雌である。近似種のエゾスジグロシロチョウと同じく全国に分布するが、やや大型で黒斑も色濃い。

白いチングルマの花の近くには、淡いピンク色のコエゾツガザクラと白緑色のアオノツガザクラが壷型の花を咲かせていた。

姿見駅の裏手にフキ(蕗)が生えていた。花はすでに咲き終わっていて、白い綿毛が種子を飛ばす直前である。葉も径数十センチあるので、本州北部から北海道にかけて分布する、アキタフキ(Petasites japonicus var. giganteus)であろう。大きいものは葉柄が2mにもなり、葉の径も1.5mに及ぶ。食用になるが、牧草地で繁殖し、家畜は食べないので畜産農家からは嫌われている。