半坪ビオトープの日記

姿見の池


チングルマのお花畑の間に、ところどころピンク色の小花が群生して大株となっている。

よく見ると、エゾノツガザクラアオノツガザクラの交雑種である、コエゾツガザクラ(Phyllodoce caerulea f. yesoensis)である。大雪山では、これら3種の中で最も多く見られる。

こちらの青紫色の花は、エゾオヤマリンドウ(Gentiana triflora var. japonica subvar. montana)である。エゾリンドウの高山型で、花は茎の先にかたまって咲く。

ようやく姿見の池展望台に着いた。ここには、大雪愛の鐘が建っている。1962年の年末に山岳部員10名が遭難死したが、その翌年に遭難者の慰霊と登山者の安全を願い創設された。

姿見の池もかつては噴火口であったが、この日のように風がなく晴天の時には、エメラルドグリーンに輝く姿見の池に、旭岳がくっきりと写し出されて絶好の撮影スポットとなる。 

山裾の噴気孔からは噴煙が絶え間なく立ち上がっているが、旭岳の北、彼方向こうには当麻岳(2,076m)から安足間岳(2,194m)に連なる山塊が見えた。

姿見展望台のすぐ南に旭岳石室がある。非常時のみ使用可能の避難小屋なので、当然ながら水も食料もトイレもない。もともとロープウェイ姿見駅にも給水施設はないし、姿見散策コース上にもトイレはない。

石室からすぐ南の第五展望台に向う道に、マルバシモツケ(Spiraea betulifolia)が咲いていた。北海道、本州中北部の亜高山帯〜高山帯の岩礫地、ハイマツ林の林縁などに生える落葉低木で、高さは50~100cmになる。葉は互生し、楕円形〜倒卵形で先は丸い。枝先に複散房状に花序をつくり、径5~8mmの白色の5弁花を多数咲かせる。