半坪ビオトープの日記

裾合平へ向う


夫婦池の間を突っ切るとT字路にぶつかる。左に行けば散策路で、第三展望台から姿見駅に戻る。右に行くと「裾合平への道は登山道だから気をつけて」という注意書きがある。姿見散策コースだけでは物足りないので、裾合平まで往復3時間半のトレッキングを楽しむつもりで裾合平に向う。旭岳を右手に見ながらほぼ平坦の道を気楽に進んで行くと、右手には見渡す限りのお花畑が広がっている。ただし、チングルマの花がすっかり終わって、花柱が伸びて風車のような羽毛が風になびいている。この辺りは日当りがよく、チングルマの花も相当早くに咲いたものと思われる。

ごろた石の登山道脇では、メアカンキンバイが元気よく咲いている。花びらの散った花もあれば、つぼみもまだある。

チングルマの風車をよく見ると、間に小さな白い花が咲いている。エゾマルバシモツケ(Spiraea betulifolia ssp. aemiliana)である。北海道、東北アジア、北米北西部の亜高山帯〜高山帯に分布し、先ほど見かけたマルバシモツケよりかなり小型で、高さが10~30cmになる落葉小低木である。

今度はイソツツジ(Ledum palustre ssp. diversipilosum)の大群落が右手に見られた。北海道と東北地方の亜高山帯〜高山帯の湿地やハイマツ林の林縁に生える常緑小低木で、高さは30~50cmになる。別名は、エゾイソツツジという。イソツツジとは、エゾツツジと呼ぶべきところを誤って呼び伝えられたことに由来し、イソ(磯)の意味ではないという。

草原の所々に大きな岩が転がっているが、ひときわ目立つ溶岩地帯を登山道が横切っている。ほぼ平坦で変化に乏しい裾合平への道では唯一絵になる光景である。

多少湿り気のある場所で、蝶を見つけた。昨日上富良野岳でも見かけた、ヤマキマダラヒカゲである。

こちらのイソツツジは、廻りのツガザクラの葉と比べてもかなり小さいので、ヒメイソツツジと思われる。

こちらの岩陰に咲いている白い花は、ミツバオウレン(Coptis trifolia)である。北海道と本州中部地方以北の亜高山帯〜高山帯の針葉樹林(特にハイマツ)の林内、林縁、湿原などに生える常緑の多年草で、高さは5~10cmになる。