半坪ビオトープの日記

花畑の花々


第一花畑は、チングルマを中心に延々と広がっているが、同じような雪田融雪地が続くので、意外と花の種類は少ない。その中でもまとまって咲くエゾコザクラは、ひと際目立つ華やかさがある。

エゾコザクラは、日本では北海道にのみ見られるが、国外では千島、オホーツク海沿岸、アラスカからカナダまで分布している。本州に見られるハクサンコザクラに比べて一回り小さいが、とてもよく似ている。

木道が整備されていて、花畑に入らないようにロープも張られている。途中で振り返ってみても花畑の大きさがよくわかる。

黄色い花はミヤマキンバイ(Potentilla matumurae)である。北海道と本州中部地方以北の高山帯の砂礫地、草地、雪田の周辺などに生える多年草で、高さは10~20cmになる。葉は3出複葉で、花茎の先に径約2cmの5弁花を数個開く。右上の白い花はミツバオウレンである。

チングルマの周りにコエゾツガザクラ(Phyllodoce caerulea f. yesoensis)が咲いている。北海道の高山帯の岩場や雪田周辺などに生える常緑小低木で、高さは20~30cmになる。紅紫色で母種のエゾノツガザクラと緑白色のアオノツガザクラとの中間雑種で、淡いピンク色をしている。

チングルマの間で緑白色の小花を咲かせているのが、アオノツガザクラ(Phyllodoce aleutica)である。北海道と本州中部地方以北の高山帯の草地や岩礫地、雪田の周辺などに生える常緑小低木で、高さは10~30cmになる。花は枝先に4~7個つき下向きに咲く。花冠は口が絞り込まれた壷型で、先が浅く5裂し、色は帯緑黄白色である。

ハイマツの蔭で淡いクリーム色の花を咲かせているのは、キバナシャクナゲ(Rhododendron aureum)である。北海道と本州中部地方以北の高山帯の風衝地、ハイマツ林の林縁などに生える常緑小低木で、高さは10~30cmになる。幹は地を這い、多くの枝を立ち上げる。

葉は厚い革質で、長さ3~6cm、長〜広楕円形となる。花は淡黄色または帯黄白色で、枝先に3~6個つく。花冠は径3~4cmの広鐘形で5中裂し、上部の裂片内側に淡緑色の斑点がある。

こちらの小さな白い花は、ジムカデ(Harrimanella stelleriana)という。北海道と本州中部地方以北の高山帯の砂礫地や草地、岩隙に生える常緑小低木で、高さは5cmほどになる。茎は約1mmと細く、地を這って広がる。葉は枝に密生し、長さ3mm、幅1mmほどの針状である。葉の様子から地百足(ジムカデ)と名付けられた。白い花が枝先に1個下向きにつき、花冠は鐘形で5深裂し、萼も5深裂する。