半坪ビオトープの日記

大雪田、第二花畑


第一花畑の先には大きな雪田が構えていた。縦横100m近くあるだろう。雪の厚さがどれほどか分からないが、多分、次の積雪まで残る万年雪になると思われる。

振り返ってみてもその広さに驚くが、霧で視界がない時には道に迷いそうだ。所々に赤い粉がまかれ印が付けられていたが、現在の踏み跡とずれているところもあった。

雪田を渡り終えると、雪が解けた後すぐにも咲き出したと思われる花々が色とりどりに道端を覆っていた。

中でも鮮やかなのは、紅紫色で可憐なエゾコザクラと、黄色く輝くミヤマキンバイの競演である。

緑の葉と相まって色の組み合わせがとてもよい。エゾコザクラは、森林限界より上部の雪田や湿性草原に群生し、大雪山の高山帯全域に広く分布している。根際にへら形の葉を叢生する。花茎の先に2cmほどの紅紫色の花を1~6個咲かせる。花冠は高杯形で5裂し、裂片はさらに2中裂する。

雪解け水の溜まった池塘があり、周りにはエゾワタスゲ(Eriophorum scheuchzeri var. tenuifolium)が毛槍のような果穂を伸ばしている。大雪山の高山帯の高層湿原に特産する多年草で、高さは15~40cmになる。ワタスゲとよく似ているが、長くのびる地下匐枝を出し、茎はまばらに出て株をつくらない。

池塘の先には、第二花畑が広がっている。木道の近くにはチングルマ、その向こうにはエゾコザクラがびっしりと群生している。

この花畑も長さが100m位あるだろうか。木道の両側にロープが張られ、花畑への立ち入りを禁止している。緑岳の右手の山に雲がかかってきたので、これからの天気が危ぶまれる。

それにしてもチングルマの花畑は、他に余り例を見ないほどの大きさである。8月上旬に満開なのは、雪が相当遅くまで残っていたことを物語っている。

ハイマツの林に近いところでは、チングルマに混じって、アオノツガザクラやコエゾツガザクラが咲いている。コエゾツガザクラは、日本のツガザクラ類の中で、名前通り、最も桜の花に近い色で咲くのではないかと思われる。