半坪ビオトープの日記

層雲峡、銀河・流星の滝


旭川から層雲峡までは1時間半もかからない。温泉街のどん詰まりに黒岳ロープウェイがあるが、残念ながらどんより曇っていて黒岳など高い山は見えない。

黒岳ロープウェイは、標高1300mの黒岳五合目まで約7分で上り、その先のペアリフトを使うと標高1520mの七合目まで上がれる。そこから黒岳(1,984m)までは1時間半と、大雪山の中で最も最短時間で山頂に立つことができるアプローチなので、旭岳ロープウェイとともにたいへん人気がある。

層雲峡は、大雪山黒岳山麓にある峡谷で、石狩川を挟み約24kmの断崖絶壁が続く。約3万年前の大雪山の噴火により堆積した溶結凝灰岩が石狩川によって浸食されて形成され、高さ100~200m前後の柱状節理の断崖を真近に見ることができる。

早速、層雲峡で最も見栄えのする、銀河の滝と流星の滝を見に出かける。銀河トンネル(3,388m)の手前を右に入ると、行き止まりの駐車場がある。右手に見える石狩川に落ちる滝を見るために、左手の「双瀑台」という展望台まで上る。
この黄色い花は、キツリフネ(Impatiens noli-tangere)である。日本各地の低山から山地の湿り気のあるところに生える1年草で、高さは40~80cmになる。葉の下から細長い花序が伸び、その先に3〜4cmの横長の花が釣り下がるように咲く。花弁状の萼と唇形の花びらをもち、距が長く筒状になっている。果実が熟すと、同属のホウセンカなどと同様に、弾けて種子が飛び散る。

足下で見つけたハナカミキリは、アカハナカミキリ(Aredolpona succedanea)という。日本各地の林に多く、白い花に集まったり、山道を横切ったりする。都市郊外でもよく見かける普通種で、幼虫は広葉樹、針葉樹の枯木や伐採木を食べる。

こちらもよく見かけるハナカミキリで、ヨスジハナカミキリ(Strangalia attenuata)という。日本各地に幅広く分布し、ハナカミキリの代表種といえる。

こちらのキリギリスに似た虫は、ヒメギスの仲間のイブキヒメギス(Metrioptera japonica)と思われる。北海道と本州の山地の草原に生息し、体色は茶褐色〜黒褐色で、翅は茶褐色で先端が丸く短い。卵の孵化に2年かかるといわれる。

4枚の黄色い花弁をもつこの花は、ケシ科のクサノオウ(Chelidonium majus var. asiaticum)である。日本各地の山麓や平地の道端、草地などに生える越年草で、高さは30~80cmになる。茎や葉を傷つけると黄色の汁が出る。この汁は有毒アルカロイド成分を含み、皮膚に触れると炎症を起こす。誤食すれば消化器内の粘膜がただれ、時には死に至る。古くから民間療法や漢方で薬草として使用されてきたが、毒性が強いので危険である。

10分ほど急な階段を上り詰めると、ようやく双瀑台という展望台にたどり着いた。右が流星の滝、左が銀河の滝といい、二つの滝は「流星・銀河の滝」として日本の滝百選にも選定されている。層雲峡にはこのほかにも、白蛇の滝、岩間の滝など大小様々な滝がある。