山花
まだ雲が多く残っているが、ようやく霧降高原キスゲ平を散策できる天気になった。すでに混雑している駐車場に順番待ちして入った後、出発点のレストハウスに向かう。 霧降高原キスゲ平は、日光連山の赤薙山の中腹、標高1300〜1600mにかけて広がり、古くから…
神威岬から積丹半島最北端の積丹岬に向かう。岬入口の駐車場から自然遊歩道を左に進むと20分ほどで積丹岬に着く。右に遊歩道(シララの小道)を1時間弱進むと、女郎子(じょろっこ)岩を眺められる展望台がある。その女郎子岩には、入舸の酋長の娘シララの…
神威(カムイ)とはアイヌ語で「神」を意味する。神威岬は、古くは御冠(オカムイ)岬とも呼ばれたという。また、積丹(シャコタン)とは、アイヌ語のシャコクタン(夏の村)に由来する。 「チャレンカの道」はまだまだ細く続いている。柵に囲まれているから…
函館駅から北、10数kmの距離に大沼国定公園がある。背後に望むことができる北海道駒ケ岳の火山活動によってできた堰き止め湖で、大沼、小沼、蓴菜(じゅんさい)沼の集まる地域である。 大沼湖畔遊歩道は3つあり、右手の大島の路は徒歩15分、中央の島巡り…
函館で海鮮料理を味わうなら、まず函館朝市を見てみたいと思い訪れた。戦後、函館駅前広場の立売が発祥で、昭和31年に現在地の若松町に移転、海鮮丼の元祖「きくよ食堂」などが創業し、現在は約250店舗が集結している。海鮮食堂もいいが、やはりカニやホタテ…
洞爺湖を後にし、内浦湾(噴火湾)に沿って渡島半島をひたすら南下して、八雲町の落部川を遡って山間の銀婚湯にたどり着く。旧八雲町は、旧尾張藩主徳川慶勝が北海道開拓と旧臣授産のため明治11年、72名を移住させて開拓を始めたことに始まる。平成17年に日…
洞爺湖の「とうや」とは、アイヌ語の「トヤ」(湖の岸)に由来し、湖の北岸を指す地名であったが、和人はその北岸を向洞爺と呼んで洞爺を湖の名にした。アイヌの人々は洞爺湖のことを「キムント」(山の湖)と呼んでいた。地元では「どうや」と呼ぶこともあ…
ポロトコタンの左側(北西)に位置するポロト湖の周辺には、ポロト自然休養林が広がり、湿原やキャンプ場、カヌーやサイクリング、バードウォッチングなど四季折々に楽しめる。また、日帰りのポロト温泉もポロト湖畔にある。 園内には松浦武四郎の胸像および…
熊野本宮大社の創祀は不詳だが本宮大社では次のようにいう。古代、熊野の地を治めた熊野国造家の祖神・天火明命(あめのほあかりのみこと)の子である高倉下は神武東征に際し、熊野で神武天皇に天剣「布都御魂(ふつのみたま)を献じた。時を併せて高御産巣…
熊野速玉大社の南西、千穂ヶ岳(権現山、253m)の南端に位置する神倉山(199m)の山頂より少し下ったところに神倉神社が鎮座している。太鼓橋の傍らに古めかしい下馬標石が建っている。これは寛文12年(1672)に奥州の大銀与兵衛盛道が、熊野三山に7度参…
三重塔に向かって進むと、ミツマタの花が満開に咲いていた。 ジンチョウゲ科に属すミツマタ(Edgeworthia chrysantha)は、中国中南部・ヒマラヤ地方が原産地とされる落葉低木で、3月から4月にかけて、三つ又に分かれた枝先に黄色い花を咲かせる。三椏、三…
これだけ色々な花が咲いていると、奥多摩むかし道もさぞ混んでいると思いきや、半分のコースで早帰りを決め込んでいるせいか、あまり人と会わなかった。それでも奥多摩駅に近づくと、駅から奥多摩湖へ向かうハイカーの群れとすれ違うようになった。道端には…
春に咲く小さな花の代表格ともいえるスミレの花の種類は多く、世界には約400種、日本には約50種あるといわれるが、さらに非常に多くの変異や品種が知られていて、学名が与えられているスミレの種類は200にも達する。日本は「スミレ王国」とさえいわれ、奥多…
4月中旬に軽くウォーキングしたくなり「奥多摩むかし道」に出かけた。奥多摩駅から奥多摩湖までの旧青梅街道だった歴史ある道を歩くファミリーコースだが、昼には奥多摩駅手前の日帰り温泉に戻りたいので、途中の梅久保までバスで行き、下りの道を半分だけ…
つつじヶ丘から1時間強で女体山山頂に着く。山頂には昭和54年(1979)に改築された一間社流造の筑波山神社本殿が建っていて、筑波女大神を祀っている。この神は伊邪那美命であり、社伝によると、伊邪那岐命と生んだオノゴロ島は筑波山だとされる。『古事記…
巨岩・怪石が次から次へと現れる。ここは母の胎内くぐりという。洞窟を潜り抜けることで生まれ変わるといわれる。昔から洞窟は異界、死者の世界への入口と考えられ、洞窟の中で修行し、出てくるときには罪障が払われるとされ、胎内くぐりは日本全国にいくつ…
昨秋、10月上旬と11月上旬、続いて2回筑波山に登った。混ぜ合わせて編集したが、葉が紅葉している方が11月の分である。「西の富士、東の筑波」と並び称される筑波山だが、日本百名山の中で最も標高が低く、ロープウェイやケーブルカーもあって、老若男女が…
うみねこラインとも呼ばれる県道1号線に沿って北上するとまもなく大須賀海岸に着く。約2.3km続く白い砂浜は、散歩できる砂浜として東北北部で最大のもので、鳴き砂が鳴る海岸でもあり、日本の渚百選にも選ばれている。 大須賀海岸を通り過ぎた種差海岸遊歩…
久慈市から三陸海岸沿いに北上し、洋野町立種市歴史民俗資料館に寄ったが残念ながら休館だった。仕方なくさらに北上し青森県八戸市の種差海岸にたどり着いた。この種差海岸は蕪島とともに、平成25年(2013)5月に旧陸中海岸国立公園に編入されると同時に三…
下北半島は青森県北東部にある半島で、旧斗南藩に因み「斗南半島」とも呼ばれ、半島が鉞(まさかり)の形に似るため「鉞半島」の別名もある。北東部の岬の辺りは、鉞の柄の先が尖っているように尻屋崎となっている。この辺り一帯の牧草地には、寒立馬(かん…
霊場内には温泉が湧き、湯治場としても利用される。塔婆堂の右手には、古滝の湯と冷抜の湯と二つの温泉棟がある。右奥の冷抜の湯は女性専用で、左の古滝の湯は男女入替制だが、この日時には女性用となっていた。ともに白濁した硫化水素含酸性緑ばん泉で、冷…
杵島岳と烏帽子岳の間が草千里ヶ浜と呼ばれる窪地となっており、草千里ヶ浜に面して阿蘇火山博物館が建っている。約30万年前の火山活動開始から現在の姿に至る阿蘇火山の歴史をはじめ、日本や世界の火山の資料を展示している。中岳火口壁に設置した2台のカ…
熊本県の高森町に入り、熊本市から始めた南九州一周の旅もようやく終わりに近づいてきた。阿蘇は東西約18km、南北約24kmに及ぶ、世界最大級の面積380k㎡の阿蘇カルデラを中心としたエリアで、カルデラの中央には阿蘇五岳を筆頭に雄大な景勝地が展開している…
神話の国、日向国(宮崎県)は、鵜戸神宮や宮崎神宮、都萬神社や都農神社、高千穂神社に天岩戸神社と、いたるところに大きな神社があり、史跡巡りはさながら神社巡りとなった。寺院もいくつかあることはあるのだが、訪れる時間は割けなかった。熊本県の阿蘇…
遊覧ボート乗り場は、崖に作られた仮設の階段を下りていく。途中、湿った岩壁にイワタバコ(Conandron ramondioides)の薄紫色の花が咲いていた。本州以南および台湾に分布するイワタバコ科の多年草で、花茎の先に散形花序をつけ8月頃に開花する。花が美し…
安達太良山山頂からは、北の稜線を牛の背まで進み、右に折れてくろがね小屋に向かい、勢至平を下ってゴンドラ麓駅に戻るのが一般的なルートだが、膝が心配なため今登って来た最短コースを戻ることにする。 ハイマツ帯に入ると小さなイソツツジ(Ledum palust…
やがてナナカマドなどの木々の彼方に、安達太良山の山頂が望まれるようになった。 山頂に近づくと森林限界を超えて樹木がなくなり、急に視界が開ける。岩がゴロゴロとむき出しになった山頂の岩峰(通称「乳首」)に登山者が上り詰める姿が見える。右には牛の…
大きな小葉を広げた中に白い小花をたくさん咲かせているのは、ナナカマド(Sorbus commixta)である。北海道〜九州の山地帯〜亜高山帯に生える落葉高木で、高さは6〜10mになる。葉は互生し、奇数羽状複葉で、小葉は4〜7対ある。枝先に複散房花序を出し、…
翌朝は快晴だった。6月上旬の福島県はまだ梅雨入り前だったが、三度目にしてようやく安達太良山のハイキング日和に巡り会えた。 奥岳登山口から薬師岳山頂まで、高低差390mをあだたらエクスプレスというゴンドラで上がることができるので、高齢者でも安達…
4月中旬にいつもの遊び仲間と、東京都奥多摩の三頭山ハイキングに出かけた。都内とはいえ、新宿を朝早く出ても武蔵五日市からバスに乗り換え、終点の都民の森に着くまで2時間半以上かかった。桧原村数馬の集落の先にある都民の森のバス停から、拠点となる…