半坪ビオトープの日記

種差海岸


久慈市から三陸海岸沿いに北上し、洋野町立種市歴史民俗資料館に寄ったが残念ながら休館だった。仕方なくさらに北上し青森県八戸市の種差海岸にたどり着いた。この種差海岸は蕪島とともに、平成25年(2013)5月に旧陸中海岸国立公園編入されると同時に三陸復興国立公園に指定された地域である。種差海岸のほぼ中央に位置する種差天然芝生地は、波打ち際まで天然の芝生がなだらかに敷き詰められた空間で、広々とした景観は見る人を壮大な気分にさせてくれる。

種差天然芝生地の山側(西)には、自然や文化を学習できる種差海岸インフォメーションセンターや駐車場が整えられている。

芝生地の目の前(東)には果てしのない太平洋を見渡すことができ、北の蕪島から南の大久喜に至るまでの延長12kmに及ぶ海岸線には、岩礁海岸・砂浜海岸・海食海岸など多様な地形が続き、国の名勝に指定されている。

芝生地の北の高台には東屋が建ち、その先にはキャンプ場があり、さらに樹齢90 年以上の松並木が約3kmにわたって続き、淀の松原と呼ばれている。天然芝生から松原、大須賀海岸を通って、北の葦毛崎展望台まで約5kmにわたり種差海岸遊歩道が整備されている。

遊歩道沿いからは、大小さまざまな岩礁に打ち付ける波が砕ける様子や、荒々しい崖にへばりつくように生える松の姿が見える。種差の名前の由来には諸説あるが、アイヌ語の「タンネエサシ(長い岬)」に由来するという説が有力視されている。

松の木の間から垣間見える南の岬は島明神と呼ばれる岩礁地帯で、右手前には種差漁港を囲んでいる。

眼下の海に見える大きな岩場は大島で、その右手に石碑のように見える岩はタテイシだと思われる。

芝生地の真ん中に、細い溝が走っている。唯一の小川が削り込んだ溝が海まで続いている。

芝生地海岸寄りには野草が生えていて、ここにも尻屋崎で見かけたアオモリアザミ(Cirsium aomorense)が赤紫色の花を咲かせていた。

こちらの白い菊は、ノコンギク(Aster microcephalus var. ovatus)である。本州から九州の山野から道端までごく普通に見られる野菊の一つで、花はわずかに赤紫色を帯び、蕾だとよく分かる。