半坪ビオトープの日記

安達太良山、薬師岳展望台


安達太良山山頂からは、北の稜線を牛の背まで進み、右に折れてくろがね小屋に向かい、勢至平を下ってゴンドラ麓駅に戻るのが一般的なルートだが、膝が心配なため今登って来た最短コースを戻ることにする。
ハイマツ帯に入ると小さなイソツツジ(Ledum palustre ssp. diversipilosum)が蕾をつけているのを見つけた。北海道南部、本州東北地方の亜高山帯〜高山帯の岩礫地や湿った草地に生える常緑小低木で、高さは30〜50cmになる。花期は6〜7月。枝の先に散房花序を出し多数の白い花をつける。安達太良山には一回り大きいハクサンシャクナゲが多く、中でも鉄山と箕輪山の中腹には珍しいヤエハクサンシャクナゲ(Rhododendron brachycarpum var. nemotonum)が群生しており、国の天然記念物に指定されているが、そのコースを通らないので見ることはできなかった。

帰りがけでも足元で目立つのは、紅色が鮮やかなイワカガミである。

紅紫色のムラサキヤシオツツジも彩りが美しい。

それらに比べあまり目立たないのは、サラサドウダン(Enkianthus campanulatus)であろう。北海道西南部、本州の兵庫県以東の深山の岩地に生える落葉低木で、高さは2〜5mになる。花期は6〜7月。枝先に長さ2〜3cmの総状花序をつけ、10個ほどの花が下垂してつく。花冠は長さ8〜10mmあり、鐘形で先端は浅く5裂する。花冠の色は先端が淡紅色、下部は黄白色で紅色の縦縞が入る。日本固有種で、ベニサラサドウダンなど変種も多い。

ゴンドラ山頂駅の近くに脇道があり、北に折れると薬師岳展望台に出る。二本松から福島市へと阿武隈川沿いの雄大な景色が眺められる。

安達太良山方面を振り返ると、雪渓の上に山頂の岩峰=通称「乳首」がわずかに認められる。右手の尖峰は鉄山であろう。ここはゴンドラ山頂駅に近いので、紅葉の季節には絶景を目当ての観光客でごった返すという。

薬師岳展望台には小さな石の祠と小さな釣鐘が安置されていた。ここからゴンドラ山頂駅までは5分ほどで着く。 

麓の岳温泉にある「空の庭」自然レストランでランチとした。

伊達鶏もも肉のソテーには、タブナードソース(オリーブのペースト)が添えられていた。

海鮮ポワレには、ズワイガニ・海老・白身魚・半熟卵に黒酢ソースがかけられていた。どちらもスープ・サラダ・プチデザート・ドリンク付きで1580円と割安ながら、とても美味しかった。