半坪ビオトープの日記

霧降高原キスゲ平


まだ雲が多く残っているが、ようやく霧降高原キスゲ平を散策できる天気になった。すでに混雑している駐車場に順番待ちして入った後、出発点のレストハウスに向かう。

霧降高原キスゲ平は、日光連山の赤薙山の中腹、標高1300〜1600mにかけて広がり、古くからニッコウキスゲの咲き乱れる高原として知られている。

一般にニッコウキスゲと呼ばれ、各地で様々に呼ばれてきたこの花は、今ではゼンテイカ(Hemerocallis dumortieri var. esculenta)という。本州では高原に普通に見られ、東北地方や北海道では海岸近くにも自生する。花期は5月上旬から8月上旬。高さは50~80cm。花はラッパ状で、花びらは6枚。朝方に開花すると夕方にはしぼんでしまう一日花である。

昔あったリフトは平成22年に営業終了し、天空回廊と呼ばれる階段とそれを中心に蛇行する散策路が整備されて平成25年にオープンした。レストハウス前から園地の最上部まで1445段の階段が続いており、100段毎に段数が表示され、700段目から頂上の小丸山展望台まではまっすぐに階段が続く。

キスゲ平には、3月下旬のマンサクから始まり、4〜6月にかけてはカタクリアカヤシオをはじめとするツツジ類など100種類を超す多様な花が咲き誇る。その中でも6月中旬から7月にかけて咲くニッコウキスゲの群落は一見の価値がある。

ジグザグの散策路沿いには、ニッコウキスゲのほかにも青紫色が鮮やかなアヤメ(Iris sanguinea)が咲いている。

こちらの足元に咲いているのは、白く細かなカラマツソウ(Thalictrum aquilegiifolium var. intermedium)である。

ニッコウキスゲは草原・湿原などに群生する多年草で、約10cmの山吹色の花を3〜4個つけ、下から順に咲き上がっていく。

何万本もニッコウキスゲが咲き誇る霧降高原だが、毎年秋に刈り払いを行い、半自然草原を維持している。草原の維持管理には他にも、鹿の食害防止柵の設置、キスゲの補植活動、外来植物の除去などが継続的に行われている。

天空回廊も上部に行くとジグザグの散策路がなくなり、急な階段の所々に張り出しの休憩スペースが設置されている。そこから東北方向を眺めるとはるか彼方には那須連山が認められる。

頂上の小丸山展望台からは山々はもちろん、晴れた日には富士山、東京スカイツリーまで望むことができるというが、残念ながら遠くは霞んでしまっている。

小丸山展望台(1582m)のすぐ右手には丸山(1689m)が見える。丸山を越えてレストハウスまで巡るハイキングコースもあるが、急坂で滑りやすいようだ。

まっすぐ赤薙山(2010m)へと続く尾根を進み、すぐに右手に折れて丸山に向かってみたが、やはり途中で引き返し、もとの回廊を下ることにした。これでようやく6月下旬に霧降高原を目指した旅を終えた。