半坪ビオトープの日記

安達太良山、仙女平分岐


大きな小葉を広げた中に白い小花をたくさん咲かせているのは、ナナカマド(Sorbus commixta)である。北海道〜九州の山地帯〜亜高山帯に生える落葉高木で、高さは6〜10mになる。葉は互生し、奇数羽状複葉で、小葉は4〜7対ある。枝先に複散房花序を出し、6〜7月に白い小花を多数つける。9〜10月には赤い実を熟す。

ようやく前方の山腹に残雪が認められるようになった。ナナカマドやハイマツなどの緑と紺碧の青空に白い雪が清々しく映える。

まだ安達太良山山頂は見えないが、右に目を転ずると尖った峰が見えるが鉄山(1709m)であろう。

30分ほどで仙女平分岐に到着する。左に下ると県民の森入り口に至るが、バスもないので利用する人は少ないだろう。

この辺りにはムラサキヤシオツツジ(Rhododendron albrechtii)の花がたくさん咲いている。北海道、本州東北地方および中部地方の山地帯〜亜高山帯の林縁や疎林内に生える落葉低木で、高さは1〜2mになる。5〜6月、葉の展開と同時か先に開花し、枝先の花芽に3〜4個の紅紫色の花をつける。別名、ミヤマツツジともいう。

仙女平分岐を過ぎると雪渓の間近を通るが、横切ることはない。

北東方向はるか遠くには、福島市街地が広がり、その左手奥に蔵王連峰と思われる山並みが見渡せる。

東の登山口方向には二本松市域が広がり、その右手奥には阿武隈高原が見渡せる。

足元の道端には、ツツジ科のミネズオウ(Loiseleuria procumbens)の白い小花が咲いていた。北海道、本州中部地方以北の高山帯の岩礫地や岩壁に生える常緑小低木で、高さは10cmほどになる。葉は対生し、革質で長さ1cm弱、幅2mmと小さい。花期は6〜7月。枝先に散形状に2〜5個の花をつける。花冠はやや赤みを帯びた白色で、星のように5裂する。和名の蘇芳(すおう)とはイチイのことで、葉がイチイに似て高い峰に生えることからミネズオウと名付けられた。世界では北半球の高山や寒帯に広く分布する。