半坪ビオトープの日記

安達太良山、五葉松平


翌朝は快晴だった。6月上旬の福島県はまだ梅雨入り前だったが、三度目にしてようやく安達太良山のハイキング日和に巡り会えた。

奥岳登山口から薬師岳山頂まで、高低差390mをあだたらエクスプレスというゴンドラで上がることができるので、高齢者でも安達太良山ハイキングを気楽に味わえる。

10分弱で到着する山頂駅から五葉松平というなだらかな尾根を歩き始めると、登山道脇に紅色のイワカガミ(Schizocodon soldanelloides )が咲いている。白い小さな花は、マイヅルソウ(Maianthemum dilatatum)である。北海道〜九州の山地帯上部〜高山帯の林下に生える多年草で、卵心形の葉を2個つける。細かい花を総状につける。

イワカガミは、北海道〜九州の山地帯〜亜高山帯に生える多年草で、淡紅色〜帯紫紅色の花を横向きに3〜10数個つける。葉は厚い革質で、表面には強い光沢があり、縁には浅い鋸歯が多数ある。よく見かけるコイワカガミと似ているが、花数が多いので区別できる。細かく裂けて房状になる花冠がとても可憐である。

こちらの白い花は、ツマトリソウ(Trientalis europaea)という。北海道、本州中部地方以北、四国の亜高山帯〜高山帯の林床に生える多年草で、葉は上部に集まって輪生し、上部の葉腋に白色の花をつける。花冠は普通7裂し、裂片の先がしばしば赤く縁取られることから褄取草の名がある。学名にあるようにヨーロッパなど北半球の温帯及び寒帯に広く分布する。

白い花をつけた枝を横に長く伸ばす姿がよく目立つのは、スイカズラ科のムシカリ(Viburnum furcatum)である。北海道〜九州の山地帯〜亜高山帯に生える落葉小高木で、高さは2〜5mになる。葉は対生、葉身は広卵形または円形。虫が好んで葉を食べるためムシカリ=虫狩の名があるとも、虫食われが訛ってムシカリになったともいわれる。別名のオオカメノキは、葉が亀の甲羅のように見えるため。白い花と大きな葉は、初夏の登山道でよく見かけるが、秋の赤い実も美しい。

こちらの白い小さな花は、ツツジシラタマノキ属のイワハゼ(Gaultheria adenothrix)である。北海道、本州近畿地方以北、四国の山地帯〜亜高山帯の林縁に生える常緑小低木で、高さは10〜30cmになる。上部の葉腋に白い花を1個ずつつける。花冠は約7mmの釣鐘形で、縁が小さく5裂する。
別名はアカモノというが、赤い実からアカモモと呼ばれ、これが訛ってアカモノとなったとされる。