半坪ビオトープの日記

下山の道


下山するとなると足取りも軽くなる。梵天岩からの急坂を下り始めると視界も開けている。右奥の山は東吾妻山で、左奥の一番高い山は一切経山である。

なおも下って大凹の湿原に出たところで、黄色いスミレを見つけた。キバナノコマノツメ(Viola biflora)である。北海道と本州の中部地方以北、四国、屋久島の亜高山帯〜高山帯の湿った草地や渓流沿いの岩隙などに生える多年草で、高さは5~20cmになる。茎葉は腎円形〜腎心形で先は丸く光沢がなく、縁には波状の鋸歯がある。葉腋から花柄を出し黄色の花を1個つける。唇弁は大きく褐紫色の筋がある。

木道脇で、またもやオヤマリンドウを見つけた。9月も下旬になると、花の種類も数も少なく何とも寂しいかぎりである。

こちらの木道の脇でもヤマハハコを見つけたが、やはりすっかり盛りを過ぎている。

いろは沼の辺りを振り返ると、ハイマツや笹原の間に赤や黄色の紅葉が見られた。

帰りは人形石まで戻らず、かもしか展望台経由で北望台まで下る。リフトで下る途中で、ノリウツギHydrangea paniculata)が咲いているのを見つけた。北海道から九州の山地の林縁などに生える落葉低木で、高さは2~5mになる。葉は卵形〜楕円形で、枝先に白色の小さな両性花が円錐状に多数つき、その中に花弁4枚の装飾花が混ざる。花期は7月から9月。樹液を和紙を漉く際の糊に利用したためこの名がついた。

リフトの下はきれいに刈り込まれていて、両側には実のなる木々がたくさん生えている。これはガマズミ(Viburnum dilatatum)であろう。北海道から九州の山野に普通に生える落葉低木で、高さは2~4mになる。5〜6月に枝先に散房花序を出して、白い小花を多数開く。9〜10月に赤く熟し、その後白い粉を吹いて甘くなり食べられる。

高い木に赤い実をたくさんつけているのは、ナナカマド(Sorbus commixta)である。北海道から九州の山地に生える落葉低木で、高さは6~15mになる。葉は奇数羽状複葉で、小葉は4~7対あり、披針形で先は尖る。6〜7月に枝先に複散房花序を出して、白い花を多数開く。秋に赤い実をつけ、果実酒にも利用できる。ナナカマドという名は、「七度かまどに入れても燃えない」との説が広く流布しているが、「七度焼くと良質の炭になる」との説もあり、備長炭の材料として火力も強く火持ちもよいので作られた炭は極上品とされている。

ロープウェイの白布湯元駅からロープウェイの右手奥にある新高湯温泉に行く砂利道の途中で、ニホンザルの親子を見つけた。蚤取りか毛繕いに夢中で、近づいても逃げようとはしない。