半坪ビオトープの日記

大須賀海岸  


うみねこラインとも呼ばれる県道1号線に沿って北上するとまもなく大須賀海岸に着く。約2.3km続く白い砂浜は、散歩できる砂浜として東北北部で最大のもので、鳴き砂が鳴る海岸でもあり、日本の渚百選にも選ばれている。

大須賀海岸を通り過ぎた種差海岸遊歩道は、ここから再び海岸段丘上に登っていく。すると道端にいろいろな花が咲いている。この白い花は、シラヤマギク(Aster scaber)である。日本各地の山地や丘陵などに普通に見られる多年草で、茎や葉にはざらざらした毛が生え、下部の葉は心形で大きく、舌状花は4〜9個でまばらにつく。

こちらの花もシラヤマギクである。高さは1〜1.5mになるので、こちらの方が普通の姿をしている。花期は8〜10月である。

だんだんと高く上っていくにつれて、遊歩道から見下ろす波しぶきの様子も激しさを増していく。

ようやく大きな岩島が見えてきた。入江の海中に大きな釜の形状をした岩があることから、この辺りは釜の口と呼ばれている。

ここにもノコンギクの花が咲いていた。先ほど種差海岸で見たものより赤紫色がはっきり認められる。

枯れ尾花(ススキの枯れ穂)がたくさん見受けられる高台から、沖を走る船が見えてきた。この辺りで引き返すことにする。

足元で見かけたこの白い小花は、ハマイブキボウフウ(Libanotis coreana var. ugoensis)である。近畿地方以北の山地に生えるイブキボウフウの海岸形で、海岸の砂地や礫地に生える。

こちらの白い花は、ハマギク(Chrysanthemum nipponicum)である。本州の青森県から茨城県の太平洋岸に生える高さ50〜100cmになる亜低木で、花が大きく美しいので江戸時代から観賞用に栽培されている。この種差海岸が北限とされるが、この釜の口辺りの崖や岩場の間にかなり群生している。花期は9〜10月で、秋の種差海岸を代表する花といえよう。