半坪ビオトープの日記

五ヶ所高原、三秀台


神話の国、日向国(宮崎県)は、鵜戸神宮宮崎神宮、都萬神社や都農神社、高千穂神社天岩戸神社と、いたるところに大きな神社があり、史跡巡りはさながら神社巡りとなった。寺院もいくつかあることはあるのだが、訪れる時間は割けなかった。熊本県阿蘇に向かって先を急ぐが、途中、眺望が良いことで知られる五ヶ所高原に立ち寄った。

五ヶ所高原は、宮崎県・熊本県大分県の県境に聳える祖母山のほか、阿蘇山久住山を同時に一望できることから三秀台とも呼ばれ、高台にウェストン碑が建てられている。

ウォルター・ウェストンは、日本近代登山の父と言われるイギリス人宣教師で、明治23年に祖母山や韓国岳に登っている。日本アルプス命名者としても知られ、日本アルプスや祖母山など日本の山の魅力を世界に紹介した人でもある。師を偲び、昭和41年に記念碑が建てられた。碑の高さは8m、頂上部は横幅2.6mの逆L字形である。上高地のウェストン碑がよく知られるが、ウェストン祭も上高地のほか、この五ヶ所高原でも毎年行われている。

祖母山(1756m)阿蘇山(1592m)久住山(1791m)を眺めることができる絶景スポットで知られる三秀台だが、山並みは幾重にも連なっているので、山を特定するのは難しい。東北東方面を眺めると、祖母山は松の梢の先端のすぐ右の尖った山である。その左の尖った山が筒が岳(1296m)である。祖母山の右手の山は障子岳(1703m)で、さらにその右の端の山が古祖母山(1633m)である。祖母山と古祖母山の向こう側は大分県である。

その右手(東)を見ると左端に古祖母山があり、その右には南東にある赤川浦岳(1231m)に続く山並みが見える。

西の方向を眺めると、国見岳(1088m)が見える。阿蘇根子岳はその少し上(西北西)に見えるはずだが、確認できなかった。

草原には夏から秋にかけての花がいくつか咲いていた。これは十五夜に飾る秋の七草の一つのオミナエシ(Partrinia scabiosifolia)である。日本全土、中国、シベリアに分布する多年草で、8〜10月に黄色い小花を散房状につける。万葉集源氏物語にも登場する古くから馴染みの深い植物である。根を乾燥させて煎じたものを敗醤といい、生薬や漢方で使用する。

こちらの薄紫色の花は、ギボウシ属のコバギボウシ(Hosta albo-marginata)である。日本全土の日当たりの良い湿った草原に自生する多年草で、7〜9月に漏斗型の花を下向きにつける。

こちらの白い花は、ノコギリソウ属のアソノコギリソウ(Achillea alpine ssp. subcartilaginea)である。本州と北海道に分布するノコギリソウに比べ、歯の切れ込みが浅い九州特産種(福岡・熊本・大分・宮崎)。山地の草原に生える多年草で、準絶滅危惧種(NT)に指定されている。
こちらのオグルマに似た花は、オグルマ属のカセンソウ(Inula salicina var. asiatica)である。日本全土の山谷の草原に生える多年草で、7〜9月、枝先に4cmほどの黄色の頭花をつけ、その中心部は両性の筒状花、縁は雌性の舌状花からなり、多数密生する。