半坪ビオトープの日記

筑波山、つつじヶ丘


昨秋、10月上旬と11月上旬、続いて2回筑波山に登った。混ぜ合わせて編集したが、葉が紅葉している方が11月の分である。「西の富士、東の筑波」と並び称される筑波山だが、日本百名山の中で最も標高が低く、ロープウェイやケーブルカーもあって、老若男女が楽しめるようにハイキングコースがいろいろと揃っている。比較的楽な、おたつ石コースから白雲橋コースに合流して女体山へ向かう。バスで西麓のつつじヶ丘駐車場に着くと、既に標高540mである。足腰に不安のある人はロープウェイで女体山駅まで300mを一気に上る。左の登山口からガマ大明神の脇を上り始める。

むき出しの登山道脇にはいくつか秋の花が咲いている。11月に咲いていたこの黄色い花は、アキノキリンソウ(Solidago virgaurea var. asiatica)である。北海道から九州までの山野や里山近くに生える多年草で、高さは70cm前後になる。葉は互生し、下部の葉は先端が尖る楕円形で、上部は披針状となる。花期は8〜11月である。高山種のミヤマアキノキリンソウに比べると、低山種のこちらの方が稀にしか見かけない。

道脇の藪には、ニシキギ属のマユミ(Euonymus hamiltonianus)の赤い実が鈴なりになっている。雌雄異株で、市販は雌木だけだが、雌木1本だけでも実はなる。材質が強くよくしなるため、古来より弓の材料として知られ、名の由来になった。漢字では檀、真弓、檀弓などと表す。ほかにも印鑑や櫛の材料になっている。

11月上旬にはモミジなどが赤や黄色に紅葉して、山中を華やかに彩っている。

30分ほどで弁慶茶屋跡という広場に着く。ここで左下から上がってきた白雲橋コースに合流する。

ベンチのある広場の脇には、白い野菊が咲いている。ユウガギク(Kalimelis pinnatifida / Aster iinumae)と思われる。近畿以北に分布するが、関東地方にはこのほか、カントウヨメナノコンギク、シラヤマギク、シロヨメナなどよく似た花が分布しているので見分けにくい。

やがて巨岩・怪石が現れてくる。これは弁慶の七戻りという。通り越してから振り返ったところ。頭上の岩が今にも落ちそうで、弁慶も七戻りしたといわれる。これは元来「石門」と呼ばれ、高天原の聖と現世の俗を分ける門だとされていた。

左に登山道を分けて、右に少し登ると高天原となる。

高天原とは「神様の世界」のことで、天照大神を祀る稲村神社が建っている。その上の岩にしめ縄が張られているが、高千穂峰にでも見立てているのかもしれない。