半坪ビオトープの日記

青森

ふかうら文学館の先を左に上ると、老杉・古木が林立する真言宗の円覚寺がある。大同2年(807)坂上田村麻呂が蝦夷征伐の際、ここに陣屋を置き観音堂を創建し、聖徳太子作とされる十一面観音菩薩像を安置したと伝えられている。また開基は貞観年間(859-877…

鯵ヶ沢から深浦町にかけての海岸沿いには焼きイカ店が多い。千畳敷から深浦港に向かう途中の風光明媚な風合瀬海岸に、かそせいか焼き村という道の駅がある。 近くには風合瀬鳥居崎の弁天島や大島などが点在する奇岩怪石の絶景もある。ここで焼いているイカが…

千畳敷とは、寛政の大地震(1792)により隆起したと伝えられる海岸段丘であり、さらに波などの浸食で、兜岩、ライオン岩、恵比寿岩、鷲岩、潮吹岩などの奇岩・奇石ができた。 物珍しがった津軽藩の殿様が千畳畳を敷かせ大宴会を催したことからこの名がある。…

深浦町の北金ヶ沢にある大イチョウは、日本最大のイチョウであり、樹木全体としても4番目の大きさを誇る。目通り幹周22m、樹高31mの巨木であるとともに、樹形もよく、古くから神木として信仰されている。 2001年の環境省による日本の巨樹・巨木林調査で…

鯵ヶ沢町役場の先に、鯵ヶ沢湾に面して旧郷社の白八幡宮がある。石の鳥居しか見えないが、その先の細い参道を右に上がっていく。 奥の石段を上がると朱色の二の両部鳥居がある。その先には三の明神鳥居と拝殿が見える。 拝殿の前に2基の御神燈がある。寛政…

鎌倉時代に津軽を席巻していた安東氏は、十三湊を根城に日本海交易に活躍していたが、安東氏が南部氏により追われた中世末期に十三湊は衰退した。その後、藩政時代に津軽藩の御用港として栄えた鯵ヶ沢は、日本海西廻航路の寄港地としても賑わい、寛文年間(1…

白神山地の核心地域に入山するのは手続きが面倒で、しかも初心者には危険だというので、一般にはマザーツリーや暗門の滝など、緩衝地域に近い所に行くことが多い。暗門の滝は、落差が42、37、26mの三つの滝であるが、くろくまの滝の落差は85mもある…

青森県と秋田県の県境に位置し、日本最大のブナ林を有する白神山地は、平成5年に日本初の世界自然遺産に登録された。天然記念物のクマゲラ、ニホンカモシカやツキノワグマなどが生息している奥深い森で、周辺にはいくつかトレッキングコースもある。 白神山…

白神山地の周辺を散策するために岩木山麓からくろくまの滝に向かった。ミニ白神を過ぎ、鯵ヶ沢から来た道に合流し赤石川を遡ると、途中に光信公の館がある。津軽の初代藩主である津軽為信の高祖父・大浦光信によって延徳3年(1491)に築かれた、種里城跡が…

青森県の最高峰である岩木山(1625m)は、津軽平野の中心に聳え、「津軽富士」とも呼ばれる円錐形の二重式火山である。津軽の人々は先祖の霊がこもる霊峰として昔から信仰してきた。太宰治はその山容を「十二単を拡げたようで、透き通るくらいに嬋娟たる美…

岩木山神社の隣には百沢温泉があるが、岩木山の南西麓には古くから嶽温泉がある。 名物マタギ飯のある「山のホテル」は、黒と白を基調とした民芸風の旅館で、先代は宿経営しながらマタギ(狩人)だったという。 嶽温泉は、延宝2年(1674)百沢村の杣夫・野…

岩木山は古くから信仰の対象であり、その南麓にある津軽国一宮の岩木山神社の祭神は、顕国玉神(うつしくにたまのかみ、大己貴命)、多都比姫命、大山祇神、坂上刈田麿命である。一の両部鳥居から真っすぐに、長い参道が岩木山に向かって続いている。晴れて…

長勝寺は、享禄元年(1528)大浦盛信により鯵ヶ沢種里に建立され、弘前城築城の時現在地に移った。津軽家の菩提寺である。 三門の正面突き当たりが長勝寺の本堂である。慶長15年(1610) に建立され、現存する日本最古の曹洞宗寺院建築で、重文に指定されて…

弘前城の南西、風水の裏鬼門にあたる茂森町に長勝寺がある。 長勝寺の総門にあたる黒門は、城郭建築に見られる高麗門形式で、長勝寺一帯が弘前城の出城として格付けされていたと推定されている。 慶長16年(1611)弘前城を造営した津軽信政がこの地に曹洞…

弘前城の南に位置するのが最勝院五重塔である。寺名は金剛山光明寺最勝院といい、津軽真言五山の筆頭である。仁王門の左手に五重塔が見える。 ここには観光館より無料の観光用貸自転車で来たが、いくつかのステーションで乗り捨ても可能なため、とても便利で…

旧弘前市立図書館の裏手に、現存するもの、しないものを含め1/10のミニチュア建造物が14棟も展示されている。 上に八角形の塔が設けられている左奥の建物は、明治26年に立てられた「角み」呉服店である。解体されて現物は残っていない。 手前の白い外壁…

弘前市に残る洋館としては、日本聖公会弘前昇天教会、日本キリスト教団弘前教会、旧弘前市立図書館、旧東奥義塾外人教師館、藤田記念庭園などが有名である。公園以外は無料である。 旧弘前市立図書館は、太宰治の生家「斜陽館」も設計した名匠堀江佐吉が明治…

弘前城跡三の丸の一角にある市立博物館では、ねぷた展が開かれていて、大正から昭和時代のねぷたの鏡絵や見送り絵がたくさん展示されている。主な常設展示品は、津軽塗、観桜観楓屏風などである。それらは撮影禁止だが、ロビーに展示されている絵は撮影可で…

桜の名所で名高い弘前公園の真ん中に弘前城がある。東に土淵川、西に岩木川が流れ、3重の堀を巡らす平山城である。 別名は鷹岡城、あるいは高岡城という。天守、3棟の櫓、5棟の櫓門が現存する。三の丸追手門、二の丸辰巳櫓・南門・東門、本丸などが重文で…

夏休み旅行は青森県に行き、まず、桜の名所で名高い弘前市に向かった。滅多に来られない青森県なのだから郷土料理とも思ったが、それはこれからいくらでも食べられるからと、最初の食事は弘前市が観光の目玉にしているフランス料理にした。人口比にすれば日…