半坪ビオトープの日記

埼玉

妻沼聖天山、三宝荒神社

奥殿の装飾はあまりにも絢爛豪華なので、透し塀の外に出てからも立ち去りがたく眺めてしまう。 奥殿の裏手一番左には、小さな経蔵がある。 他にも奥殿裏手にはいくつかの神社が並んでいる。一番左にあるのが天満宮である。 中央にあるのが、五社神社である。…

妻沼聖天山、本殿

拝殿の左に回り込むと、拝殿・幣殿(中殿)・本殿(奥殿)が繋がっている権現造であることがよくわかる。現存する本殿は、寛保2年(1742)に再建されたもので、最近8年間と13億円かけて保存修理を終え、国宝に指定された。古くは、応永12年(1405)第12代忍…

妻沼聖天山、拝殿

重厚な仁王門は、万治元年(1658)建立と伝えられるが、明治24年の台風で倒壊し、同27年に再建された。 左右の金剛力士は当時のままで、室町時代の気風を残している。昭和57年に屋根を改修している。 右のこの阿形も、左の吽形も、つい最近修復された。 仁王…

妻沼聖天山、貴惣門

熊谷市の最北部鬼怒川の近くに妻沼聖天山がある。今年7月に国宝に指定された本殿については、後に詳しく紹介するが、総門である「貴惣門」も国の重文に指定されている。 寛保2年(1742)幕命で、利根川大洪水の復旧工事に妻沼を訪ねた周防国岩国吉川藩の作…

アルティジャーノ

昼食は、熊谷駅の北2kmにあるイタリアンレストラン、アルティジャーノ(Artgiano)で、Aランチ(2000)を注文した。 玄関前の植栽の右手には、アザミのようなチョウセンアザミ(Cynara scolymus)が大きな葉を広げていた。原産地は地中海沿岸、カナリア諸島…

龍泉寺、仁王門

仁王門の左手には、平成18年建立の平成観音が立っている。高さは9mある。 仁王門は天保3年(1832)に建立されている。 天保2年に田原藩士渡辺華山は、藩の旧領地である三ヶ尻を調査のため訪れ、龍泉寺に約20日間逗留して三ヶ尻領を実地踏査し「訪へい録」…

龍泉寺、観音堂

熊谷駅西8kmにある真言宗豊山派の少間山観音院龍泉寺は、通称三尻観音山(83.3m)の麓にあり、とても眺望がよい。山門は天保4年(1833)に建立されている。 聖武天皇の頃(724~48)の開創という伝承もあるが、龍泉寺の開基は小此木紀伊守であり、永禄年間(…

忍城(のぼうの城)

古墳公園の丸墓山古墳から見えた忍城(おしじょう)址も訪ねてみた。 1560年に上杉謙信が関東に出陣して以来、関東を舞台に謙信と北条氏が衝突する。忍城(行田市)の成田氏、騎西城(加須市)の小田氏、羽生城(羽生市)の広田・木戸氏もその戦火に巻き込ま…

前玉神社、拝殿

狭く急な階段を上ると浅間塚古墳の上に建つ前玉神社の拝殿がある。浅間塚古墳は、高さ8.7m、周囲92mとされる。 祭神は、前玉比売命(さきたまひめのみこと)と前玉彦命の2神であり、女神と男神が一緒に祀られているので恋愛成就を祈願する参拝者が多い。 前…

前玉神社、万葉灯籠

二子山古墳の南にも長さ109mの鉄砲山古墳などがいくつかあり、小さな浅間塚古墳の上には前玉(さきたま)神社が建てられている。一の鳥居は、延宝4年(1676)忍城主阿部正能家臣と氏子により建立された。だが扁額には、よく見ると浅間神社の銘「富士山」と…

稲荷山古墳、将軍山古墳

丸墓山古墳の東にある全長が120m高さ12mの稲荷山古墳は、5世紀前半に造られた前方後円墳で、埼玉古墳群の中で最初に出現した古墳である。以前、古墳の上に小さな稲荷社があったことから稲荷山と呼ばれている。丸墓山と同じく墳丘に登れるので、周囲の古墳を…

瓦塚古墳、丸墓山古墳

移築民家の裏手には、全長73mの瓦塚古墳が見える。6世紀前半に造られた前方後円墳で、二重の堀が巡っていた。武人の人物埴輪、家形埴輪、円筒埴輪など多種多量の埴輪が出土している。 広い古墳公園を時計回りに巡ると、駐車場の前に全長53mの愛宕山古墳があ…

さきたま古墳公園、稲荷山鉄剣

11月中旬に埼玉県中央から西北部にかけて史跡見学した。まず県名発祥の地、行田市大字埼玉にある「埼玉(さきたま)古墳群」を訪ねた。5世紀後半から7世紀はじめ頃までに造られた9基の大型古墳が群集していて、「さきたま古墳公園」として整備されている。…

秩父の銘酒、武甲正宗の醸造元、武甲酒造は、江戸中期宝暦三年創業の老舗で、築190年を超える今の店舗は、国指定登録有形文化財となっている。 平成の名水百選に選ばれている「武甲山伏流水」で仕込まれた日本酒は、どれもとても美味しい。 利き酒では新…

毎年12月2日3日に執り行われる秩父夜祭は、日本三大曳山祭り(祇園祭、高山祭)の一つとして知られ、寛文年間より300年の歴史を誇り、国指定の重要無形民俗文化財である。 笠鉾は神道民俗(妙見信仰)の要素を備え、屋台は左右に芸座を出すと歌舞伎の…

週末に秩父の温泉に出かけた。10日ほど前に秩父の夜祭があったわけだが、その余韻は感じられず静かな町に戻っていた。 関東でも指折りの古社の一つで、知知夫国の総鎮守として二千年以上もの長い間祀られてきた秩父神社。 現在の権現造りの社殿は徳川家康…

江戸の天下祭を伝えるという川越祭りを見てきた。川越祭りとは、氷川神社の10月14日の例大祭の後に行われる神幸祭りと山車行事の祭礼からなり、江戸時代の慶安年間より360年の歴史があるという。 明治時代の作など古い山車が多いが、岸町二丁目の山車…

5月頃、山地の林下に咲く、スイカズラ科のツクバネウツギの種類はいくつかあるが、その中で最も大きい花は、オオツクバネウツギ(大衝羽根空木、Abelia tetrasepara) である。アベリアという属名は、イギリスの植物学者エイブルを記念するもの。和名は花の…

ウラシマソウやマムシグサの仲間であるサトイモ科テンナンショウ(天南星)属の花は、どれも特異な姿形をしている。秩父の山の林下には多くの種類が自生し、似ているものも多い。これは、ホソバテンナンショウ(Arisaema angustatum) という。仏炎苞の舷部は…

昨日、秩父・小鹿野町の四阿屋山(あずまやさん)を散策した。林下には野草がいくつか見られた。これは日本全国の山地に自生する、チゴユリ属のチゴユリ(稚児百合、Disporum smilacinum) である。2cm弱のかわいらしい花を1〜2個、4〜5月に咲かせる。…

長瀞は「日本地質学発祥の地」といわれ、古くから地質学の研究が盛んで「埼玉県立自然の博物館」もある。その前の河原には長さ15mほどの茶褐色の岩があり、虎岩と呼ばれる。 縞模様の褐色の部分は「スティルプノメレン」という鉱物からできている。長瀞に…

「骨波田の藤」のある長泉寺の境内には、樹齢250年というモチノキ属のタラヨウ(多羅葉、Ilex latifolia)が黄緑色の花を咲かせていた。 静岡県以西から中国東部に分布する。秋には赤い実がまとまって熟し美しい。 昔から、葉の裏に傷をつけると黒く変色…

三波石峡に向かう途中、埼玉県指定天然記念物である本庄市児玉町の「骨波田の藤」を見物した。長泉寺という寺の境内に藤棚がたくさんあった。 樹齢1200年という春日部市の「牛島の藤」と同じノダナガフジ(野田長藤)で、この「骨波田の藤」は樹齢650…