半坪ビオトープの日記

オオクロモンベッコウ

長瀞は「日本地質学発祥の地」といわれ、古くから地質学の研究が盛んで「埼玉県立自然の博物館」もある。その前の河原には長さ15mほどの茶褐色の岩があり、虎岩と呼ばれる。
縞模様の褐色の部分は「スティルプノメレン」という鉱物からできている。長瀞にはこのスティルプノメレン片岩のほか、ピンク色の紅簾石片岩や暗赤色の赤鉄鉱石英片岩など様々な結晶片岩が見られる。
地質調査として20歳の宮沢賢治は1916(大正5)年に盛岡から長瀞を訪れ、虎岩をうたったといわれる。
つくづくと「粋なもやうの博多帯」 荒川ぎしの片岩のいろ  賢治
その虎岩を眺める直前、足元に25mmほどのベッコウバチ科のオオクロモンベッコウを見つけた。自分より大きなクモを狩って幼虫のえさにするため、落ち葉の間をせわしなく歩き回っているのだ。