半坪ビオトープの日記

スイス

1786年のモン・ブランの初登頂からアルプス登山史が始まったといわれるが、19世紀になるとナポレオン三世やゲーテ、パスツールなどの著名人がこのメール・ド・グラス氷河を見物に訪れている。 モンタンヴェール登山鉄道は1909年に開通して誰でも氷…

メール・ド・グラス氷河はグレポン(3482m)の山裾の向こう側を右に折れてジェアン氷河となる。 山裾に隠れそうに遠くに見える突起状の山は、ダン・デュ・ジェアン(Dent du Geant 4013m)であり、その左がドーム(4015m)である。 その左に…

かなり氷が解けて薄くなっているとはいえ、末端に近いこの辺りでも、氷河の厚さはまだ30m以上ありそうだ。 氷河の横っ腹に穴を開けたアイスグロッテ(Ice grotte)が4つも見える。数年ごとに新しく掘るのだろう。 ロープウェイを降りた後も階段を50mほ…

メール・ド・グラス氷河の対岸にはヴェルト針峰群のぎざぎざの山並みが見える。八重歯のようなドリュ(3754m)が天を突いているが、残念ながら雲がかかっている。 山の斜面には転がり落ちた砂礫がたくさん積み重なっていて、その間にいろいろな植物が生…

駅前には氷河展望台があり、メール・ド・グラス氷河(Mer de Glace=氷の海)がよく見える。 右の方から流れてくる氷河の本体は、モン・ブラン(4810m)の東に広がるジェアン氷河であり、合わせると14kmの長さになる。 左から合流するのは、レシャ…

シャモニ駅(1036m)の裏手から登山鉄道でメール・ド・グラス氷河(Mer de Glace)を展望するモンタンヴェール(Montenvers)に上る。 モミの林を潜り抜けて高度を上げていくと、左手には赤い針峰群、エギーユ・ド・ルージュの山々が見える。 やがて前方に…

ツェルマットからフィスプに出て、ローヌ川沿いにマルティニまで行き、モン・ブラン急行に乗り換えてフランスのアルプスリゾート、シャモニ・モン・ブラン(Chamoinx Mont Blanc)へ向かう。 国境を越えると左に雪を抱いた山が見え始め、細長いアルジャンティ…

道は森の中に入り視界も遮られてきた。ひたすら下っていくと時々牧草地に出会う。この辺りはリードといい家が集まっている。 後ろの大きな山はブライトホルン(4164m)で、右下の黒い岩山がリッフェルホルン(2927m)だ。さらにその右手前にリッフ…

赤紫色のケンタウレア・スカビオサ(Centaurea scabiosa)にとまっているのは、ウスイロヒョウモンモドキ。ヨーロッパから東アジアまで北部ユーラシアに幅広く分布する。日本では広島県から兵庫県までの中山帯に限って生息する。 ヤグルマギク属のケンタウレア…

道はスネガの下を大きく迂回していく。山を見上げるとスネガは隠れて見えないが、その上のブラウヘルト(2571m)とウンターロートホルン(3103m)のロープウェイ駅が見えた。すでにすっかり雪は解けている。 右上の花は、セドゥム・ダシフィルム(S…

あけましておめでとうございます。まだ、スイスの写真整理が続いていますが、終わり次第、また巷の園芸植物を取り上げる予定です。 スネガの下のフィンデルン村(Findeln 2200m)の近くからマッターホルンを見る。午後になってずいぶん雲がかかってしま…

後ろを振り返るとフィンデルン氷河の左に、リンピッシホルン(4199m)が聳え、遠くにはシュトラールホルン(4190m)と突起のようなアドラーホルン(3988m)が見える。 フィンデルン氷河はかなり後退しているが、大きなU字谷の様子から昔の氷…

黄色の花は、ヒエラキウム・スタティキフォリウム(Hieracium staticifolium)。砂利道の周りの川原のような砂礫地一面に群生している。 その花に止まっている蝶は、コヒョウモンモドキ。ヨーロッパからシベリヤを経て朝鮮半島まで幅広く分布する。日本でも関…

なおも道を下り、シュテリゼー(Stellisee)から流れくる小川を渡るとちらほら木々が現れる。森林限界が2400m前後になる。 カラマツの林に囲まれたグリンジゼー(Grindjisee)がひっそりしている。湖には小魚がゆったり泳いでいた。湖の向こう側に行けば、…

この花はラン科テガタチドリ属のジムナデニア・コノプセア(Gymnadenia conopsea)。日本のテガタチドリと同種。スイス全土からユーラシア北部に広く分布する。根が肥厚して掌状に分かれるため和名は手形千鳥という。湿り気のある土地に多い。 スイスにはテガ…

赤紫色のこの花はゲンティアナ・カンペストゥリス(Gentiana campestris)。リンドウ属には大きく分けて、小さくて青いいわゆるエンチアンと、大きいリンドウ(赤茶色やクリーム色や青色)のほかに赤紫で小さい仲間がある。 その代表格がこのカンペストゥリス…

エンチアン(Enzian)の中で一番花が小さい、ゲンティアナ・ニバリス(Gentiana nivalis)。細い茎はいくつかに枝分かれし、それぞれの枝先に小さな青い花を開く。 下の赤紫の花はホトケノザの仲間のアキノス・アルピヌス(Acinos alpinus)。 右上の花は、ヒエラ…

最初はブラウヘルトからシュテリゼーを通ってグリンジゼーに向かう。マウンテンバイク用の道は幅が広く快適に走れるが、下りはスピードが出すぎるため絶えずブレーキをかけ続ける必要がある。 また下りばかりでもなく、上りになるとギアを使っても上りにくく…

マウンテンバイクを置いているブラウヘルト(Blauherd 2571m)に近くなると、草原が牧草地となりヒツジがのんびりと群れていた。高地のためかかなり毛足の長い種類だ。 駅からウンターロートホルンへ向かうロープウェイがちょうど出発するところだ。今…

ブラウヘルトに近づくとフィンデルン氷河跡の谷間は深くなり、対岸には林が見えてくる。林の上の草原に緑色のグリュンゼー(2300m)が見える。 スネガやブラウヘルトからリッフェルアルプ(2211m)へ向かう道が湖の手前を右(西)に横切っている。…

最後にまた道端でエーデルワイスを見かけた。今度は踏まれないようにいくつかの石で囲われていた。 エーデルワイス(Edelweiss)とはドイツ語で「高貴な白」という意味であり、英語やフランス語でも edelweiss と表記される。 日本語ではウスユキソウ(薄雪…

ブラウヘルトに向かう道はウンターロートホルンの裾を横切る格好になるが、下の方にはシュテリゼー(Stellisee 2537m)が青く見える。その先には枯れたフィンデルン氷河の跡が見える。 右上の青紫の花は、ホタルブクロ属のカンパヌラ・コキレアリイフォ…

マウンテンバイクを取りにブラウヘルト(2571m)に向かい緩やかに下っていくと、いつの間にか雪もなくなり道端にはいろいろな花が咲き乱れている。 エーデルワイスの脇にある黄色の花は、ヘリアンテムム・グランディフロラム(Helianthemum grandiflorum…

この花はアスター・アルピヌス(Aster alpinus)。花の中心は黄色の管状花、花びらの色は濃ピンクから青紫まで変化に富む。Asterとは星を意味し、花の形に由来する。 シオン属の花で、日本のタカネコンギクに似ているが、アルプスの草地によく似合う。北半球の…

ウスユキソウ属の特徴は、頭状花とそれを星状に苞葉が並んだ様子である。「アルプスの星」と呼ばれるのもうなずける。 頭状花は中心に黄色い雄花、外側に5個ほどの雌花が丸く囲む。葉も花も全体に白い綿毛で覆われている。 青紫の花はアスター・アルピヌス(…

エーデルワイスの花は、中部ヨーロッパに1種のウスユキソウ属である。この属はユーラシア大陸と南米に分布するが東アジアに多い。 日本にはミヤマウスユキソウ、エゾウスユキソウなど数種あるが、中でもハヤチネウスユキソウやヒメウスユキソウは、エーデル…

この花は、レオントポディウム・アルピヌム(Leontopodium alpinum)。いわゆるエーデルワイス。フルッギーからフルーエへ下る途中にエーデルワイスの群生地がある。 まだ3日前に降った雪が10cm以上積もっていたので、探すのに苦労した。属名 Leontopodiu…

ウンターロートホルンからの360度の展望を楽しんだ後、広い道を15分下るとオーバーロートホルンとの鞍部、フルッギー(Furggji 2981m)に着く。 北の谷向こうには秀麗な姿のヴァイスホルン(Weisshorn 4505m)やその左にはツィナールロートホ…

オーバーロートホルンの左(北)をよく見ると、テッシホルン(4491m)やドーム(4545m)などのミシャベル山群が遠くに見える。 右上の花は、ナデシコ科マンテマ属のシレネ・エクスカーパ(Silene exscapa)。1cm程の短い葉が密生し、じゅうたんの…

東には鞍部の向こうにオーバーロートホルン(Obererothorn 3415m)の岩山が見える。ここから2時間程で登れるというが、3000mを超えての上りはきつそうだ。 オーバーロートホルンの裏にはアラリンホルン(Allalinhorn 4027m)などのミシャベ…