昼食はチャオプラヤー川沿いのプラスメーン砦の近くにある、大衆に愛されている有名なイスラム料理店、Karimu Roti Matabaにする。ロティ(Roti)は、インドやパキスタン、アフリカ諸国のほか、タイなどの東南アジアでも一般的な、全粒粉を使った無発酵パンである。日本ではインドカレーというと、ナンを一緒に食べるイメージが強いが、実際にはインドではナンではなくロティやチャパティを食べるのが一般的である。プレーンロティは約50円と安い。
マタバ(Mataba)は、タイ南部を中心によく食べられているイスラム風ロティで、カレー粉で味をつけた鶏肉や野菜などの具をロティに包んだものである。アーチャートと呼ばれる、唐辛子と砂糖を入れたキュウリの甘いピクルスを付け合わせとして食べる。
ロティもマタバもタイでは屋台で気軽に食べられ、様々なカレーと一緒に売られていることが多い。これはチキン・グリーンカレー。チキンはほとんど食べてしまっている。
こちらも残念ながら少ししか残っていないが、レッドカレーに見えるのは、チキン入りマッサマンカレー。
バングラデシュ人のカリム・アブダル氏は、1943年にこの店を創業したが、1997年に97歳で亡くなっていて、スタッフが継いでいる。アルコール類はなく、カップの氷とセットのドリンクの小ボトルには、カリム・アブダル氏のロゴマークがついている。チャーエン(タイ風ミルクティ)などドリンクはどれも約100円。
マタバの具材にはチキンだけでなく、ビーフやマトン、シーフード、フィッシュなどがある。これはシーフードのマタバ。
これはビーフのマタバ。他にもチョコバナナロティなどスィーツ系ロティも各種揃っている。
前日の夕食は、ホテル近くのイーサーン(タイ東北)料理専門店、サバイチャイ(Sabaijai)にした。タイ東北は独特な食文化があり、バンコクで働く出稼ぎ者の郷土料理・イーサーン料理がタイの代表料理にもなっている。ビールは、chang。タイ・ビバレッジ製造で、シェアは約半数で国内トップ。チャーンとはタイ語で象を意味し、ロゴは白象である。アルコール度が6.4%と高い。しかし、日本で輸入しているのは5%のタイプである。
ソムタム・タイは、イサーン風青パパイヤサラダで、青パパイヤのスライスやトマトをナンプラーやニンニク、ライム、ココナツシュガー、干しエビなどと一緒に叩いて和える。ソム(酸っぱい)タム(叩く)の中でも、ソムタム・タイは最もマイルドな味である。
こちらはトムカーカイ(Tom Kha Kai)。トムヤムのスープをベースにココナツミルクたっぷりで仕上げている。カイ(チキン)との相性がいい。
サバイチャイの代表料理・カイヤーンは鶏の炭火焼。秘伝のタレに漬け込んだ丸鶏を遠火で炙り焼きにする。カリカリの皮とジューシーな肉が美味しい。2種のタレはかなり辛い。
赤ティラピアの丸唐揚げ(Deep Fried Red Tilapia fish)。タイでは現在、広くティラピアの養殖が行われているが、1960年代、現明仁上皇が皇太子時代にタイ国王にティラピア50尾を送り「ティラピアの養殖」を提案したことが始まりとされ、両国の友好の証となっていることはタイ国民によく知られている。タイではプラーニン(黒い魚)と呼ばれていたが、今や赤ティラピアとも呼ばれるナイルティラピアが多く養殖されている。