半坪ビオトープの日記

清白寺

東山梨駅の東、果樹園の中程に臨済宗の清白寺がある。伽藍は禅宗様式に則り、総門・放生池・三門(鐘楼門)・仏殿・本堂が一直線状に配置され、足利尊氏夢窓疎石を開山として、正慶2年(元弘3年、1333)に創建したという古刹である。正式には海涌山清白禅寺という。
総門は、享保16年(1731)の再建であり、総門の先には鐘楼門とも呼ばれる三門がある。

仏殿は、応永22年(1415)に建立されたことが判明している。天和2年(1682)に火災に遭ったが焼失を免れ、鎌倉の円覚寺舎利殿に匹敵する禅宗様建築の代表的遺構であり、国宝に指定されている。割石積の基壇の上に、方3間・裳階付入母屋造・檜皮葺きで、花頭窓や軒反りの美しい曲線は非常に印象的である。堂内には千手観音が安置されていて、観音堂とも呼ばれる。

仏殿の後ろにある本堂は、正徳3年(1713)の再建で、本尊の釈迦如来像が安置されている。その脇には若々しい顔立ちの木造夢窓国師座像が安置されている。桁行18.2m、梁間11.8mの規模をもち、前後各3室、6室構成の方丈型本堂と呼ばれる形式である。

仏殿の右手奥の庫裏は、雄大な切妻造・茅葺きの屋根をもち、元禄2〜6年(1689~93)に再建され風格があり、重文に指定されている。白壁と足利氏の家紋二つ引き両を入れた木組も注目される。庫裏の裏にある庭も夢窓国師の作庭といわれる。

参道の脇には甲州小梅の古木が立ち並んでいて、木の根元にはヒガンバナ(Lycoris radiata)がたくさん咲いていた。