半坪ビオトープの日記


福島駅の南4kmほどの所に臨済宗満願寺(黒岩虚空蔵尊)がある。
山門は宝暦2年(1752)建立である。

山門の向かいには本堂らしきものがあるが、案内図によると客殿となっている。

客殿の前には旧大蔵寺門前の古碑がある。先ほど参観した小倉寺大蔵寺が往古、阿武隈川の西にありと伝えられている寺跡とされる。
その並びに、寛文年間(1661~73)に鋳造された銅鐘が吊られた鐘楼がある。

この鐘楼は、天女の姿が彫られたもので、いぼなし鐘と呼ばれており、国の重文に指定されている。

虚空蔵尊へ続く参道を進むと右手に観音堂がある。赤穂浪士の討ち入りで有名な忠臣蔵の仇敵、吉良上野介の夫人於サンが信仰したという観音堂であり、元禄年間(1688~1703)の建立で、中には夫人の持仏「如意輪観音菩薩」が祀られている。夫人は米沢藩主上杉定勝の四女で、米沢と江戸を往復するときに満願寺を休憩所として使用し、満願寺の興隆の一助になったという。

虚空蔵堂の手前で右手が開け、眼下に阿武隈川の絶景が広がる。これだけ大きな川を間近に見下ろすことはあまりないのでしばし見入ってしまう。
川に面した南の斜面は冬期も比較的温暖で、シラガシ、ツバキ、アオキなど暖地も好む常緑広葉樹の群生が見られる。